第211回通常国会の焦点 軍拡・増税許さず暮らし優先に|全国商工新聞

全国商工新聞

 

 第211回通常国会が召集されました。会期は6月21日までの150日間です。
 岸田文雄首相は昨年末、敵基地攻撃能力を保有し、5年間で43兆円規模となる大軍拡を行うとする「安保3文書」を閣議決定しました。戦後の歴代政府がとってきた「専守防衛」という原則を投げ捨て、日本の安全保障政策の大転換を国会の審議も経ずに行ったことに、批判が広がっています。
 今国会で審議される2023年度予算案では、6兆8千億円もの軍事費(昨年度比25%増)を計上し、大軍拡を実行しようとしています。社会保障や教育の財源を圧迫し、大増税で国民、中小業者の暮らしを困難にする予算を許すわけにはいきません。
 税制では、防衛財源確保の諸法案と、最大の景気対策となる消費税の減税、インボイス中止が争点です。自主申告に重大な影響を及ぼす「税務相談停止命令制度」を創設する税理士法「改正」案も提出されます。政府は予算とともに、3月中に成立させることを狙っており、急速な反対運動が求められます。
 中小業者に関連して、フリーランスを保護する新法や、新型コロナ関連「ゼロゼロ融資」等の債務減免など、抜本的な支援策の議論が必要です。
 政府は新型コロナの扱いを、感染症2類相当から、季節性インフルエンザ並みの5類へ移行することを決定しました。医療体制の抜本的な拡充を行わず、医療崩壊ともいえる事態が続く中での5類への移行は、介護や医療、社会全体を混乱に陥れます。国民への正確な情報発信と医療体制の確保が大きな課題となります。
 燃油や食料品など物価高騰は耐え難い状況が続いています。賃金引き上げも、労働者の7割を雇用する中小企業への支援策強化が無ければ不可能です。
 原発推進への方針転換、マイナンバーカードの取得強要、統一協会と政治家の癒着など、解明・審議しなければならない課題は山積みです。
 生きることさえ困難な国民の窮状に背を向け続ける岸田政権を追い詰め、国会内の論戦に連帯し、運動を広げ、暮らし優先、悪政ストップへ声を上げましょう。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから