「地域の活性化で企業も労働者も元気に」と11月26日、第9回「中小企業を元気に!」シンポジウムが東京都内でウェブ併用で開かれ約70人が参加しました。主催は、全国商工団体連合会(全商連)、全国労働組合総連合(全労連)など8団体による実行委員会。
立命館大学の森裕之教授が「地域の活性化と中小企業」と題して講演。コロナ禍の企業倒産件数の推移などから政府の支援策を検証しました。地域課題の解決に小規模事業者が果たす役割に触れ、「地域と雇用を支える小規模事業者への支援が、地域循環型経済の実現につながる」と強調。コロナ禍で自治体の施策が地域経済の担い手である中小企業に目を向けた方向に変化しており、「この流れを一過性のものにしない運動が必要」と提起しました。
農民、建設労働者、中小企業経営者の3者が報告。農民運動全国連合会の齋藤敏之常任委員は、日本の食料自給の現状を「輸入が止まれば、牛乳は4日に1杯、焼き肉は23日に1皿しか食べられない」と告発。地域の農産物を学校給食に活用する自治体が広がり、農業の維持や学校教育に波及することで「地域も活性化できる」と述べました。
東京土建一般労働組合の佐藤豊副執行委員長は、資材高騰が続く中、「自治体要請を通じ、支援制度を創設・拡充させてきた。建設関連の組合が共同で、インボイス中止などを政府に要請した」と報告。
中小企業家同友会全国協議会の石渡裕政策委員長は、地域活性化には「政策として賃上げ」が必要と述べ、中小企業の社会保険料軽減など最低賃金引き上げの条件整備を求めました。