広がるインボイス中止の声 消費税減税・廃止の展望開こう|全国商工新聞

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 消費税インボイス制度の実施中止を求めて16日、声優・アニメ・演劇・漫画のエンタメ4団体の著名人らが、記者会見や超党派の議員連盟による公開ヒアリングに臨み、注目を集めています。テレビや商業紙大手の即日報道は一部に限られましたが、ヤフーニュースがトップで報道し、ウェブでは一気に拡散されて、早々と「トレンド入り」しました。
 漫画家の由高れおんさんは、アシスタントの窮状と漫画産業振興・クールジャパンとの矛盾を告発。劇作家の丸尾聡さんは、インボイスがコロナ禍や物価高騰に追い打ちをかけ、文化・芸術の先細りにつながる問題を指摘しました。アニメ・プロデューサーの植田益朗さんは、かつてない危機感と併せ、「業界つぶし」と批判し、同演出家の大塚雅彦さんは、フリーランス・小規模事業者だけでなく「社会全般に関わる問題」と訴え。声優の岡本麻弥さんは「政治に声を上げるのを嫌がられるが、私たちの生活の話」とし、“益税”宣伝の誤解を解き、庶民同士を分断させないことを強調しました。
 こうしたエンタメ業界・有志の真摯な訴えに対し、財務省職員の説明はインボイスを「もう決まっている」といわんばかりに欺瞞に満ちていました。目的税でもない消費税を「社会保障の財源」と言い張り、免税点制度が設けられてきた趣旨を「実務負担の軽減のため」と矮小化して、最低生活への配慮には頬かむり。世界の99カ国・地域で、消費税(付加価値税)の減税が実施されている今日、岸田政権と財務省の頑迷な態度は異常が際立っています。
 この秋、フリーランスの方たちと全商連の協力・共同が広がりました。消費税の導入時までさかのぼっても、初めてです。インボイス問題を通じて、最悪の大衆課税である消費税の本性を初めて見抜いたフリーランスが少なくありません。インボイス中止の実現が、消費税に対する「慣れ」や「無関心」を一掃し、選挙で争点とする大切さや、消費税の新たな減税・廃止への展望を開くのではないでしょうか。インボイスの「登録期限」には来年9月末までの特例があることも広く知らせ、実施中止への世論と運動を広げて、政治の流れを変えましょう。

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