「税務調査では、自主記帳が大事」「納税者の権利を守るため税務署とトコトンたたかう」―。大阪・東淀川民主商工会(民商)は10月14日、「税務調査交流会2022」を開き、14人が参加しました。「税務調査は任意調査と強制調査があって、任意調査は納税者の理解と協力があって行われることを初めて聞いた」「会員同士、悩みを共有できた。交流会に参加して本当に良かった」などの感想が寄せられました。
交流会は、全商連の「自主計算パンフレット」を教材にし、「税務署が来た時の対応は?」「事前通知の内容を聞き逃したらどうする?」「領収書は、どこまで認められる?」など、さまざまなシチュエーションを想定して学習を進めました。参加者が理解できるように資料を作り、プロジェクターでも映し出しました。
「帳面を付けるのがやっぱり一番大事だった」と発言したのは、かばん卸売業のYさん。「2年前に税務調査を受けた時の経験を伝えたい」と参加しました。
「先代の社長時代に税務調査があったが、自分の代では初めて。同業者や民商の仲間のアドバイスのおかげで修正額は少額で済んだ。以前は、税理士に帳面をお願いしていたが、それでは会社経営が分からない。思い切って民商でパソコン記帳にチャレンジした。今は会社の経営状態もよく分かるし、帳面を付ける自信もついた。税務調査で帳面が重要だとあらためて学んだ」と確信を持って話しました。
土木工事業のSさんは、個人の時に2回調査を受け、法人成りして初めての調査が現在、進行中です。
「取引先に税務調査が入って嫌な予感がしていた。法人成りして5年目で、調査の対象は2期目~4期目まで。個人の時は無予告調査だったけど、今回は電話連絡があった。民商で事前通知について学んでいたので、内容をきっちり聞き取った」と言います。
実地調査の争点は、領収書がない経費についてです。「建設業では、領収書が出ない経費もたくさんある。休憩時のジュース代や単発に仕事を依頼する職人さんへの支払い。上げればキリがないけど、経費は経費です。民商でパソコン記帳も学び、真っ当に申告している。私が納得できるまで税務署とたたかう。一緒に頑張りましょう」と元気に呼び掛けました。
会長の橋本清照さん=運送=は「税務調査は毎年、どこかで発生する。当事者は不安や心配なことがたくさんあるし、夜眠れないという話も聞く。中小業者は孤独だけど、そこに寄り添えるのが民商の仲間。税務調査はもちろん、どんな要求でも一人にしない。コロナ禍に加え、円安による物価高騰で中小業者の営業は大変だ。消費税を減税させ、インボイス制度実施を中止させよう」と訴えました。