3日の臨時国会開会後も岸田政権の支持率低下が続いています。13日に公表された時事通信の世論調査では、支持率が27.4%へと落ち込み、政権維持の「危険水域」に突入しました。岸田首相の旧統一協会を巡る対応や安倍元首相の「国葬」強行、不十分な物価高対策への国民的批判の表われです。
司法の場で反社会的行為が断罪されてきた旧統一協会に解散命令が出されないことや、文化庁が名称変更を一転して認めた背景に政府・自民党との癒着が疑われます。
閣議決定だけで国葬を実施した責任も重大です。「国費を支出…するには、国会の議決に基くことを必要とする」とした憲法85条を無視して12.4億円超が費やされました。これを自治体の地方税収と比較すると、高知県土佐清水市の11・5億円を上回り、沖縄県南大東村の約7年分に当たります。これだけの税金を議会の承認も得ずに首長が使えば、住民や議員は黙っていないでしょう。法的根拠もない国葬への税金投入に道理はありません。今国会で、岸田政権があいまいにする旧統一協会疑惑や国葬問題の徹底追及が必要です。
物価高騰対策の一環として実施された石油元売り企業35社への3兆円を超える補助金について、財務省が「『販売価格に補助金の全額が反映されていない可能性がある』と指摘した」(「日経」8日付)ことは重大です。3兆円あれば、1リットル当たり54円のガソリン税を1年3カ月ゼロにできます。
大軍拡に突き進む姿勢も大問題です。憲法25条は「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めています。社会保障を改悪しながら、外国を武力で攻撃するために税金を使うなど論外です。軍事費が2倍化されれば、国土交通省や文部科学省の予算を上回ります。世界第3位の軍事大国になり、予算上も軍事国家になることは憲法9条違反です。
世界では99の国・地域が付加価値税=消費税の減税に踏み出しています。安倍政権時に10%まで引き上げられた消費税を今すぐ5%に戻すべきです。国民を守る物価高対策の実施と、憲法に反する税金の集め方と使い道の是正が急務です。