全国商工団体連合会(全商連)は5、6の両日、全国中小業者団体連絡会(全中連)が主催する「11・6大集会」の告知を兼ねた団体訪問に取り組みました。消費税のインボイス制度実施に伴い業界や団体にどんな影響が出ているのか、実態や要望について懇談するとともに、集会への参加や賛同、メッセージの送付を要請しました。
集会へ参加を表明 映演労連
映画演劇労働組合連合会(映演労連)では集会への参加を表明。
「インボイスは演劇、アニメーターなどに関わる組合関係者に影響が出る。業界は年収1千万円に満たない多くの免税事業者に支えられており、理解も納得も進んでいない状況下で実施するのは反対」と明言。8月に「文化産業の基盤を揺るがしかねない無謀な施策であり、憲法に定める文化権の享受という点でも実施中止を求める」との声明を出したことを紹介。「俳優の多くは中小プロダクションと契約している。インボイス対応で、劇団に迷惑をかけられないと、役者の中には『簡易課税制度を選択して登録しようか』との声も上がっている」と実態を明かしました。
インボイスで混乱 日本新劇製作者協会
日本新劇製作者協会では、「免税点を無くし、役者やスタッフなど全ての関係者に増税を迫るもの。生かさず殺さず全国民から取り立てようという発想、思想が問題だ。劇団の多くは課税事業者だが、役者にインボイスの発行を求めないと、実務・税負担の増加が避けられない」と実情を語りました。
「インボイスを実施しないことが理想だが、少なくとも5年間は猶予するよう要望している。役者の認識は薄く、このまま実施されれば、差別や選別を持ち込み、大混乱は必至」と危機感をあらわにしました。
厳しい状況を告発 中同協
中小企業家同友会全国協議会(中同協)では、「インボイスは問題点も多く、会としては『凍結』を掲げ、各政党に要請している。物価高の影響は大きい。仕入れ・原価の値上がりを転嫁できない状況」と厳しい状況を告発しました。
「集会参加したい」 日米連
日本米穀商連合会(日米連)では「集会には参加したい。電子帳簿保存法への対応も問題が多いと感じる。物価高騰の中で米価は低く抑えられているが、さらなる値下げ圧力がある。生産者と直接取引する米店はインボイスで影響がまともに出る。中小の小をつぶすような政策はダメだ」と語りました。
全商連は引き続き、業界団体などへの賛同・参加要請に取り組むとともに、全国知事会や市長会、町村会などに、インボイス中止・延期を政府に働き掛けることをはじめ、免税事業者を公共工事や公共調達から排除しないよう要望することにしています。