「インボイスは延期を」 団体が次々と表明|全国商工新聞

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 日本商工会議所などの団体が2023年度「税制改正大綱」に関する意見書や要望書の中で、インボイス制度の実施延期などを求めています。

対策なければ導入の延期を 日本商工会議所

 日本商工会議所は9月15日、「令和5年度税制改正に関する意見」を公表しました。「消費税制度の導入延期を含めた対応」の項目を設け、免税事業者の取引排除等による倒産・廃業の可能性や、現行の「区分記載請求書等保存方式」にどういう問題があるのかなどを含めた徹底検証を政府に要望。検証の結果、コロナ禍や物価高などの影響を受ける経営の実態、免税点制度の創設趣旨などを踏まえた上で、最小限の対策が講じられず、制度導入後の混乱が避けられない場合は、「導入時期を延期すべき」としています。

手が届かない事業者は多い 全間連

 全国間税会総連合会(全間連)は「令和5年度税制及び執行に関する要望書」(7月発表)で、“消費税を公平で合理的な制度として構築し、安定税制に”と提起する一方で「軽減税率」が標準税率引き上げの一つの要因になる恐れがあり、インボイス制度は事務負担の増加につながると指摘。インボイス制度は、日本の社会経済構造になじまず、コロナ禍の影響で日本経済の落ち込みは想定できなかったと強調し、現行の「区分記載請求書等保存方式」の継続適用を求め、困難な場合は導入時期を延期すべきと訴えています。
 全間連が実施した、「インボイス制度導入への準備状況等に関するアンケート調査」(4月実施、有効回答者1万378人)では、約4割の4239人が準備作業は「特に何もしていない」と回答し、「コロナ禍対策に追われ、インボイス導入準備まで手が届かない事業者が多い」と推察しています。「区分記載請求書等保存方式を継続すべき」は53.9%が賛同し、「適格請求書等保存方式に移行すべき」との回答は、わずか13.7%にとどまりました。

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