「インボイス制度の実施延期を求める意見書が幡多郡内で初めて採択された」―。喜びに沸くのは、高知・中村民主商工会(民商)です。民商が提出した「インボイス制度の延期を求める意見書」を求める陳情が、大月町の6月議会で採択されたのです。意見書採択は高知県内で5番目、民商が担当する6市町村では初の快挙です。
陳情書提出に当たって、民商は浦木秀雄町議(共産)に、DVD「教えて湖東先生!消費税の複数税率・インボイスってな~に?」(全商連作成)を視聴してもらいました。浦木町議は「インボイスが危険な制度だとよく分かった。このDVDを見れば、他の議員も問題があると分かってくれると思う」と話していました。
産業建設常任委員会に付託された陳情書は、DVDの視聴や浦木町議が説明するまでもなく、事業を営む町議の指摘により“インボイス制度は、中小業者に大変な影響を与える制度”であることが明らかに。
本会議では、事業を営む町議2人(無所属)が賛成討論に立ち、「コロナ禍で経営が困難になっている事業者、中小企業、個人事業主、その事業者と取引をしている企業にも大きな負担の可能性がある」(農業・会社社長)、「国民の平等性の観点から免税事業者からも納入してもらうことは理解できるが、令和5年10月開始といえども、まだまだ苦境に立たされている事業者が多くいる」(製造業・組合団体役員)と賛同。一方、公明党の町議は「インボイス制度は、複数税率において適切な課税を確保する観点から導入される仕入税額控除の制度である。消費税は事業者が消費者から預かった税であり、きちっと納めるべきである。3年間の80%控除など、移行するための条件もつくっている。状況が厳しいということで、先延ばしすることには反対」と主張。結果は、賛成7・反対1の賛成多数で採択となりました。
船口千代松会長=左官=は「意見書が採択され、みんなで喜んでいます。保守や会派に関係なく、インボイス制度に疑問を持ち、コロナ禍や資材高騰で苦しむ中小業者に寄り添う議員と幅広く連携し、残る5市町村での採択をめざし、インボイス中止、延期につながるよう頑張りたい」と話しています。