全商連 「物価高騰・自治体対策ウェブ交流会」を開催 直接支援を勝ち取ろう|全国商工新聞

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コロナ禍と物価高騰が続く中、各自治体の業者への直接支援策を勝ち取った経験などを交流しました

 「全国の経験に学んで自治体要請に取り組み、9月議会で、廃業の危機に直面する中小業者への直接支援を勝ち取ろう」―。全国商工団体連合会(全商連)は8月17日、「物価高騰・自治体対策ウェブ交流会」を開催し、199カ所で視聴されました。国が創設した「地方創生臨時交付金(コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分)」(臨交金)1兆円を活用し、自治体に中小業者支援策を創設・拡充させようと、4民主商工会(民商)の取り組みや成果を交流しました。
 星実副会長が自らの営業の困難に触れつつ開会あいさつ。「戻り始めていた仕事が、7月は第7波の影響でゼロに。国の事業復活支援金の申請が6月17日で打ち切られ、何の支援も無くなった。臨交金を活用し、直接支援を実施させる知恵を交流しよう」と呼び掛けました。
 牧伸人常任理事が「報告と問題提起」を行い(別項に要旨)、4民商が報告。
 北海道・室蘭民商の田口清英会長は、25年以上続けている自治体要請の到達を紹介。「業者の要求を聞いてもらうには、民商単独で懇談することが大切だ。中小業者は売り上げ10%減でも致命的な影響を受けることをリアルに示し、室蘭、登別の両市では、売り上げ減少要件の無い物価高騰対策支援金ができた」と話しました。
 滋賀・湖東民商の藤関福樹会計は「自治体に臨交金の有効活用を申し入れ、近江八幡市は6月議会で、個人事業者7万5千円・中小企業等15万円の支援制度を創設した」などと述べました。
 広島・三原民商の西村善郎会長は「コロナ支援制度活用学習会に参加した会員が三原市への要請に参加。商売や街の状況を自分の言葉で訴え、支援を求めた。それが実り、今年に入って二つの業者支援制度ができた」と報告しました。
 鹿児島・曽於民商の山本直子事務局長は「自治体と敵対するのではなく、共に歩むスタンスで要請に取り組んでいる。新たな支援金制度ができた際には、自治体側から申請用紙を持ってくることもある」などと紹介しました。
 全商連の徳永隆行経営対策部長が閉会あいさつ。「先が見えない中で、1兆円の臨交金の増額を求めることも必要だ。自治体要請に積極的に取り組み、寄せられた相談を生かそう」と呼び掛けました。

【要旨】 物価高騰・自治体対策ウェブ交流会
 報告と問題提起

1.いま、なぜ自治体対策か

 中小業者が廃業の危機に追い込まれる今、地方創生臨時交付金を活用した自治体の支援策の拡充・活用が欠かせない。

2.活用が期待される自治体施策の特徴

 公的費用の減免や支援金の支給など、広範な中小業者を対象にした直接支援を実施させることが重要。新型コロナ対応として講じられてきた、中小業者の経営とそこで働く労働者の雇用を守り、地域経済を維持していこうとする自治体の努力が伝わる施策を物価高騰下でも生かす。

3.実践に学び合い、全ての民商・県連で自治体交渉を

 民商や県連、支部でも、自治体交渉が機敏に実施され、すでに成果を生んでいる。①自治体は地域の業者の実態と要求を知る機会を求めている②日頃からの信頼関係を土台に、中小業者からの提案が前向きに受け止められる―などが改めて確認されている。
 地方創生臨時交付金の拡充も欠かせない。政府に支援策の抜本拡充を求める大きなうねりにつなげていく視点も大切。

4.「秋の運動」に向けて

 各地の経験に学び合い、要請文ひな形も活用して、9月議会に向けて自治体対策を強めよう。全国中小業者団体連絡会(全中連)主催の「物価高騰対策、消費税減税とインボイス中止を求める大集会」(11月6日)と、国会議員・省庁要請(同7日)に署名と要求を結集し、各地で業界団体や地元国会議員との懇談、集会、デモに取り組もう。

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