「第7波」でも無為無策の岸田政権 抜本的に強化し命を守る対策を|全国商工新聞

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 新型コロナ感染の「第7波」が猛威を振るっています。今月1日から1週間の新規感染者数は149万人を超え、3週連続で世界最多を記録しました。
 コロナ感染による自宅療養者は10日時点で154万人となり、4週連続で過去最多です。自宅などでの死亡者が7月(234人)を上回りかねません。
 救急患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は8日からの1週間で6747件に上り、3週連続で最多を更新しています。コロナ感染以外の病気やけがの治療もままならない事態です。オミクロン株「BA.5」から「BA.2.75」への置き換わりが進むことで感染拡大が長引く可能性も指摘されています。
 ところが、岸田政権は国会での審議に背を向け、「新たなフェーズへの移行と対応の強化」「経済を回す」というだけで、自治体と個人任せを続けています。感染の波が襲来するたびに検査不足が繰り返されてきました。救急搬送困難事案が急増し、1万人以上が亡くなった「第6波」の失政を顧みず、同じ過ちを繰り返す岸田政権の責任は重大です。
 医療機関や保健所の負担軽減を図るためとして、コロナの感染症法上の位置付けを現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類相当」へと変更する動きにも注意が必要です。
 「5類相当」になることで感染者の全数報告業務などの負担は軽減されますが、十分な補償もないまま過酷な状況で働いている医療・介護従事者の負担がどれだけ減るのかは見通せません。加藤厚労相は19日、コロナワクチン接種の有料化にも言及しましたが、次々と変異するコロナ感染症への治療法も未確立なまま、インフルエンザと同じ普通診療に移していいのかも問われます。現在、コロナ感染の診療は公費負担ですが、「5類相当」になれば、自己負担が発生し、入院治療にも相当の実費負担が必要になります。いまの感染状況下で負担増による受診控えが広がれば、その影響は計り知れません。
 今すぐ国会を開き、検査、医療、保健所、ワクチンなどの体制を抜本的に強化し、国民も医療従事者も納得のいく命を守る対策を急ぐべきです。

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