【談話】安倍元首相の「国葬」執行を決定した岸田政権に断固抗議する|全国商工新聞

全国商工新聞

2022年7月22日
全国商工団体連合会
事務局長 岡崎民人

 本日、岸田政権は安倍晋三元首相の「国葬」執行を閣議決定した。法的根拠もあいまいなまま、内心の自由を侵害し、安倍氏の礼賛につながる国葬の強行は許されない。
 「国葬」への財政支出は、憲法第85条(国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする)、第83条(国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない)に反する憲法違反であり、許されない。法律の定めのない「国葬」に税金を使うことは、政府による税金の恣意的運用であり、納税の義務を負う納税者にとって許しがたく、断固抗議する。
 安倍氏をめぐっては、立憲主義破壊による戦争する国づくりの強行、新自由主義に基づく「アベノミクス」による格差と貧困の拡大、異次元の金融緩和がもたらす異常円安による物価高騰、「森友」「加計」「桜を見る会」などの国政私物化、国会での100を超える虚偽答弁など、その政治的立場や政治姿勢への評価は国民の中で大きく分かれており、安倍政治礼賛につながる「国葬」の実施は容認できない。
 にもかかわらず、「国葬」を執行することは、憲法第19条(思想及び良心の自由は、これを侵してはならない)、第20条2(何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない)を侵害することにもなる。
 私たちは、凶弾に倒れた一政治家としての安倍氏への弔意を表すとともに、憲法に違反し、国民を分断する「国葬」の執行を撤回するよう岸田政権に強く要求する。

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