全商連創立記念日 歴史に学び新たな運動の前進を|全国商工新聞

全国商工新聞

 全国商工団体連合会(全商連)は3日、71回目の創立記念日を迎えます。5月の第55回定期総会では「70周年を新たな出発点に、創立の精神を継承・発展させ大きな役割を発揮していきます」と決意を固め合いました。創立記念日は、継承・発展すべき「精神」に、理解を深める絶好の機会です。
 1951年のこの日、全国各地の代表が京都に集まり、全商連結成を議決しました。
 政府は当時、第2次世界大戦の連合国への賠償と、焦土と化した国土の復興に充てるため、アメリカ占領軍と一体となり、国民に重税を押し付け、暴力的な差し押さえを横行させていました。仏壇、畳は言うに及ばず、腕にはめた時計までそのまま差し押さえるという、身ぐるみを剥ぐような徴税攻勢から、中小業者が自らの営業と生活を守り合うために、団結の旗を掲げました。「無届け集会だから警官3名を傍聴させよ。拒否すれば解散を命じる」という警察の干渉にも怯むことなく、会議は開催されました。
 中小業者が生き抜くためのたたかいで培った「創立の精神」は、その後70年の歴史を通じて、今日の私たちの運動に息づいています。コロナ禍で、「誰一人取り残さない」を合言葉にした2年半の相談活動は、その象徴です。
 全商連が先ごろ発行した『民商・全商連の70年』は、こうした歴史の教訓を伝えるものです。重税の実態を告発し、道理を通す活動で、納税者の権利を確立してきたこと、広範な中小業者の要求と運動で無担保・無保証人融資を実現したこと、大資本の横暴をただす「中小業者110番運動」から、日常的な「経営と生活」相談活動を発展させてきたことなど、民商・全商連が数々の困難を、どう乗り越えてきたかが分かります。
 コロナ禍に物価高騰が追い打ちをかける中で、消費税インボイス制度の実施をたくらむ岸田政権は、財源を示すことなく軍事費2倍化を打ち出しました。さらなる消費税増税や社会保障削減が狙われていることは明らかです。
 創立記念日を機会に、民商・全商連の70年の歴史をよく学び、文字通り、新たな出発点として運動と組織を前進させる力にしましょう。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから