「誠実に対応している申請者を不給付にするな」―。全国商工団体連合会(全商連)は7月14日、事業復活支援金の「不備ループ」解消や支援策の拡充を求めて中小企業庁に要請し、群馬、埼玉、東京の民主商工会(民商)会員など15人が参加。笠井亮衆院議員(共産)の秘書も同席しました。不備解消に向け対応を続けているものの、給付に至らず苦しんでいる申請者の要請書と資料を10通提出し、審査の実態を告発しました。
中企庁側は「申請期間は終了したが、審査中の人には丁寧に対応する。(修正期限の延長は)1年も2年もというわけにはいかないが、不備解消に向けて進める」などとし、受け取った資料について「持ち帰って調べる」ことを約束。全商連の中山眞常任理事は「誠実な対応をしている申請者を不給付にしないよう」強く求めました。「中小業者はコロナ禍に加えて物価高騰の影響に苦しんでいる」と述べ、政府によるさらなる直接支援の創設を要請しました。
不備ループ問題では、法人税申告書に収受印がなく法人概況説明書がないため、税理士による「売上証明書」の提出を求められ対応したものの、税理士のミスで法人名が抜けていたことで「不支給」に(群馬・東毛)▽現金商売で通帳にひも付く資料が出せない旨の「申立書」を添付した上で、経費の証拠となる店の電気代やガス代の領収書等を提出しても、なお「不備」が繰り返される(埼玉・川口)▽会社の名称だけで宗教法人と判断され、審査取り下げを迫られている(東京・新宿)▽通帳記載のない現金商売で22回不備に。審査事務局に、その都度何を提出すればいいか判断を仰いで対応してきたが、不誠実な対応で不支給に(埼玉・川口)▽新規開業特例で申請。開業届の日付が対象外だとして不備に(埼玉・熊谷)―など、当事者らが事務局の不当性を告発。全商連を通じて提出した要請書についても「警備業で、公安委員会の許可証を開業届の代替書類として提出しているが、認められない」(兵庫・明石)などを伝え、改善を求めました。
要請の翌日に「振り込み手続き中」に進む
埼玉県春日部市内で居酒屋を営むNさん(埼玉東民商)は、売り上げも仕入れ・経費も現金でやり取りしており、その旨の申立書も提出。ところが、領収書・請求書にひも付く通帳の写しの提出を執拗に求められ、審査が滞っていました。「精いっぱい対応しているのに、できないと分かっている対応を迫るのはおかしい」と実情を中企庁要請で訴えると、翌15日、マイページ上に「振り込み手続き中」の表示が。Nさんは「これで商売を続けられる」と歓喜しています。
全商連を通じて要請書を提出した兵庫・明石の会員も翌日に「振り込み手続き中」となりました。