長野県小諸市議会は6月28日、「消費税『適格請求書(インボイス)方式』の実施延期を求める請願書」を全会一致で採択。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣宛てに意見書を送付しました。請願書は、浅間民主商工会(民商)が提出していたものです。
請願書提出に当たって、民商は5月26日、取り扱う総務文教委員でインボイス制度の中止・延期に理解を示す無所属議員3人と一緒に「インボイス制度についての学習説明会」を開催。民商の塩川士郎事務局長(当時)が、消費税やインボイス制度の仕組みと問題点を解説し、請願書への理解を求めました。日本共産党の市議2人も参加しました。
6月16日の総務文教委員会では、わずか3分間でしたが、塩川事務局長が趣旨説明を行い、インボイス制度が中小零細な事業者に大きな負担を強いることや取引から排除される可能性があることなどを指摘。学習説明会に参加した議員から「インボイスが発行できない場合は、どうなるのか」「シルバー人材センターから仕事をもらっている人も課税業者にならないといけないのか」などの質問が出され、塩川事務局長は「取引から排除されるか、消費税分の値引きを飲み込むかの選択が迫られる」「センターの会員が消費税を負担しなければ、センターの負担が増える」などと答えました。委員会では賛成3人、反対2人で採択され、本会議では全会一致の採択となりました。
民商では、昨年秋から全8支部で「インボイス制度の学習会」に取り組み、各支部の申告説明会や、300人が参加した3・13重税反対全国統一行動浅間集会でも繰り返し学習。消費税減税とインボイス制度の実施中止を首相や財務相に求める「100万ボイスアクション」の要請はがきを全会員に届け、190通のはがきを送付しました。
橋本一夫会長=造園=は「私自身も免税事業者で、インボイスの発行を求められれば、課税事業者になって消費税を負担しなければならない。シルバー人材センターで働く人たちにも影響が出てくる。弱い者いじめのインボイス制度は間違っている。自治体にさらに働き掛けて、実施中止の声を広げたい」と話しています。