消費税の本質上、仕入税額控除は必須 インボイスで消費税の制度の「骨格」崩すな|全国商工新聞

全国商工新聞

 消費税は、売り上げから仕入れや経費を差し引いた「付加価値」(利益)に税金をかけるもので、制度の本質上、「仕入税額控除」ができなければならないものです。
 税務調査で帳簿書類の提示を拒否したため、仕入税額控除が否認され、課税処分を受けた事業者が、課税処分の取り消しを求めた裁判で、最高裁は事業者の請求を棄却しましたが、滝井繁男裁判官は反対意見を述べました(2004年12月20日)。
 「仕入税額控除は、消費税の制度の骨格をなすものであって、消費税額を算定する上での実態上の課税要件にも匹敵する本質的な要素とみるべきものである。(略)法30条7項の規定も、課税資産の譲渡等の対価に着実に課税が行われると同時に、課税仕入れに係る税額もまた、確実に控除されるという制度の理念に即して解釈されなければならない」
 滝井裁判官が指摘するように、仕入税額控除は、消費税の制度の骨格をなすものです。
 帳簿や請求書などが保存されていれば「仕入税額控除」ができるという要件を「インボイスでなければ、仕入税額控除ができない」と厳しくするのは、制度の骨格を崩すことにつながります。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから