「国民健康保険(国保)料・税のコロナ特例減免は、全額を国の責任で実施せよ」―。神奈川県連婦人部協議会(県婦協)は5月27日、厚労省に要請し、役員、事務局員ら9人が参加。日本共産党の畑野君枝前衆院議員が同席し、特例減免の比較年度の基準緩和や、国保料・税の算定にコロナ支援金を算入しないことなどを求めました。
要請項目は、①コロナの給付金・協力金は、国保料・税の算定の対象外にする②減免条件である3割減の比較年を、コロナ発生前の年度などで自由に選べるようにする③比較年度を2021年度とする場合、給付金や協力金を収入に合算する④事業主やフリーランスをコロナ傷病手当の対象にする⑤コロナ特例減免は国の責任で全額財政措置を行う―の5点です。
省側は、コロナ特例の減免を全額、国が負担することについて「感染状況や減免申請の状況で検討する」と回答しました。
参加者は、「息子2人がそれぞれ焼き肉店を営んでいるが、昨年は協力金がなかなか振り込まれず、国保料の支払いに苦慮した。コロナ特例減免で助かったので、それぞれの業種に見合った支援をしてほしい」「協力金を含む収入の3~4割を納税しなければいけないと聞いて、怖くて手を付けられない。お客は以前のようには戻らず、不安でいっぱいだ」などと訴えました。
「事業主は収入状況が一定でなく、算出が困難だから」と傷病手当の対象から外されていることについて、「確定申告をしているし、平均値をとれば済む話だ」などと迫り、支給対象とするよう求めました。
交渉は4月に、民主商工会(民商)婦人部や県婦協、県連が自治体や県に行った要請を踏まえて実施したもの。「国が認める範囲内でやる」(厚木市)、「国は、臨時交付金を財源として実施することは可能としているが、今までの経験では、国が負担する保証がないので、そこを突破する必要がある。実際に支払いが厳しい被保険者の皆さんが、国に声を届けて迫ることが大事」(県医療保険課)などの回答から、厚労省への要請を決めました。
30%以上の減収判定 「見込み」で問題ない 厚労省が文書発出
厚労省は4月28日、事務連絡「新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免等の取扱いに関するQ&Aについて」を発出し、2022年度のコロナ特例減免(3月14日発出)についての考え方を示しました。特例減免は、コロナ禍の影響で22年度の収入が前年比30%以上の減少が見込まれる場合に活用できるものです。
減免の申請受付開始時期は、できる限り速やかに周知広報や申請受付等を開始し、感染拡大防止のために郵送やオンラインで申請を受け付けることを促しています。
事業収入の減少については、懲戒解雇や離転職等が主な原因となって収入減少したことが明らかな場合等を除き、直接的・間接的に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、3割以上収入が減少した被保険者としています。また、迅速な支援の観点から「見込み」で判断して差し支えなく、結果として収入が3割以上減少しなかった場合でも、「不正などにより収入を過少に見込んで申告していた場合を除き、再判定をする必要はない」ことを明らかにしています。
減免を実施した場合の地方負担分に対して、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用することもできるとの解釈を示しています。