政府は17日、総額2兆7千億円の2022年度補正予算案を閣議決定しました。物価高騰への「総合緊急対策」の財源の裏付けとして、月内での成立をめざすとしています。
6~9月に支給する石油元売り会社への補助金など燃料価格抑制策に1兆1739億円のほかは、4月26日に取りまとめた物価対策のために使用した予備費1兆5200億円を埋め戻すという内容になっています。
そもそも、どれだけの効果があるのか不明だった岸田内閣の物価対策ですが、今回の補正予算案の財源全額が赤字国債の発行であり、予備費の補充が主目的という前代未聞の閣議決定に、厳しい批判の声が上がるのは当然です。
予備費は、国会の議決を経ずに政府の判断で使用できるだけに(国会の事後承諾は必要)、憲法第87条1項では、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる」と定めています。
各紙も「今回の補正予算の編成は異例」などと報道しているように、施策内容をきちんと示さない予備費が半分以上を占めるのでは、まともな対策とはいえません。
全商連はこの間、消費税の5%への減税とインボイス制度の実施中止を繰り返し要請してきました。消費税5%への減税で13兆円規模の国民負担軽減が期待でき、即効性のある緊急対策だと主張しています。
国会では野党がインボイス制度廃止法案を提出。中小企業団体中央会は自民党に実施凍結を要請し、フリーランスの声に耳を傾ける自民党議員も現れました。各地の3月議会でも、インボイス制度の実施中止や延期を求める意見書採択が相次いでいます。
消費税廃止各界連絡会は消費税減税、インボイス制度の実施中止を首相や財務相に要請する「100万ボイスアクション」を呼び掛けました。全商連は、はがき100万枚を作製して1会員当たり3枚を送り、周りにも広げようと訴えています。想定される参院選の公示(6月22日)まで1カ月弱。「税制で商売をつぶすな」「コロナ禍と物価高騰の今こそ、消費税減税とインボイス制度の実施中止」の運動を広げ、一大争点に押し上げましょう。