中小企業庁は20日、31日までとしていた事業復活支援金の申請期限を6月17日まで延長すると発表しました。全国商工団体連合会(全商連)などが16日、参院議員会館で、中企庁に要請した申請期限延長が実ったもの。併せて、コロナ禍や資材高騰の影響を受ける事業者への直接支援を求めました。
運用の問題点も指摘 全商連など 中企庁への要請実る 庁側「しっかり給付したい」と回答
申請前に必要な登録確認機関による事前確認の実施は6月14日まで(申請IDの発行は5月31日まで)。「事前確認申請の予約がいっぱいで、期限に間に合わない」などの声が各地から寄せられていました。
全商連の岡崎民人事務局長は「コロナ感染拡大の中、多くの事業所が直接支援で救われたが、諸物価の高騰で経営悪化に陥っている。新たな支援策を講じてほしい」と求めました。
庁側は「国会でも持続化給付金の要望も頂いているが、事業復活支援金で対応したい。152万件の申請を頂いており、給付できるものは、しっかり給付したい」と回答していました。
この間、全商連に寄せられた申請に関わる問題点についても追及。2022年1月に事業承継を行った場合、事業承継特例が適用されずに申請できなくなっていることや、個人事業主が入院中の場合、親族であっても代理申請が認められないなど、制度上の隙間にはまっている事業者を救済するために、中企庁として必要な手立てを講じることを求めました。
千円未満切り捨てで記入される法人事業概況説明書の月別売上高の合計と確定申告書の年間売上高の合計が一致しないとの理由で「不備」とされ、税理士による売り上げ証明書の提出を求められる問題でも「不備」に妥当性がないことを指摘し改善を求めました。
中山眞常任理事は「これまでの売上高減少率50%以上の支給要件を30%以上に拡大したにもかかわらず、申請件数が152万件(9日時点)と少な過ぎる。当面、次の支援策はない状況なので、申請中の全ての中小業者を救い切るようにしてほしい。『不備』解消へ取り組み中の申請者には、個別対応もしてほしい」と重ねて要求しました。
日本共産党の岩渕友参院議員、笠井亮衆院議員が同席。岩渕氏は「申請を諦めざるを得ない業者が出ないよう、すぐに対応してほしい」と要請しました。