国の事業復活支援金と併給可能な自治体による事業者への支援が10県で実施されていることが、全国商工団体連合会(全商連)の調べで明らかになりました(表)。
政府は3月21日、16都府県で適用されていた、まん延防止等重点措置を解除し、全都道府県で飲食店への時短要請等は終了しました。
しかし、全国的には感染拡大は高止まりで、感染の再拡大の懸念も指摘される状況にあります。東京都の新規陽性者の7日間平均は2月上旬をピークに減少が続いていましたが、3月30日には前の週の1・2倍余りの7419・0人となり増加に転じています。専門家は「年度末前後のイベントによる人の移動や接触機会の増加、オミクロン株の『BA.2』への置き換わりなどによる急激な感染の再拡大に警戒する必要がある」と指摘します。
飲食客戻らず
このような状況だけに多くの飲食店は、営業再開したものの客足が戻っていません。飲食店への協力金は終了し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小事業者を支援する事業復活支援金の対象期間も3月末までで切れました。
東京・北区民主商工会(民商)が3月29日に開いた料飲交流会では「解除されたけれども、8時くらいでお客さんがピタッと止まってしまう」「深夜帯など全く見通せない」「時短要請が解除され、休業していた店も一気に再開したので、少ないお客がさらに分散している感じ」など、厳しい現況を交流しました。
野田聖子内閣府特命担当大臣は3月1日の参院予算委員会で、岩渕友議員(共産)の質問に「まん延防止等重点措置などの非適用地域であって、時短要請が行われていない地域においても、地域の実情に応じて各自治体の判断で飲食店等を含む事業者への支援に(臨時交付金の)地方単独事業分を活用することが可能になっている」と答弁。萩生田光一経済産業相は3月30日の衆院経済産業委員会で、笠井亮議員(共産)の質問に「4月いっぱいで新たな支援策も考えなければならない。直接支給というメニューを残すかどうかを含め、政府全体で検討する」と発言しました。
支援継続求め
現在ある各支援制度を活用するとともに、通常の営業が戻るまで、国・自治体の支援の継続を求めていく必要があります。