コロナ禍は3年目に入り、中小業者の営業と暮らしはいよいよ厳しくなっています。昨年来の原油・資材の高騰、ロシアのウクライナ侵略によるさまざまな物価上昇が追い打ちをかけています。さらに重くのしかかるのが、消費税の負担です。世界では83の国と地域が付加価値税(消費税)の減税に踏み切っていますが、岸田内閣は、はなから背を向けています。消費税が導入されてから33年目を迎えた1日、民主商工会(民商)や県商工団体連合会(県連)、全国商工団体連合会(全商連)も加盟する「消費税廃止各界連絡会」(各界連)は「怒りの宣伝行動」を各地で展開。「今こそ消費税減税を」と声を上げました。
各界連 4・1怒りの宣伝
全商連も加わる各界連は、東京・JR新宿駅西口で「消費税怒りの宣伝行動」を実施。道行く人が次々と足を止め、1時間で署名61人分が集まりました。
ペンを握った非正規雇用で働く40代男性は「税率が少しずつ引き上げられたので、一気に大変になった感覚がない。生活がきついのに、消費税は普通にあるものと思っている自分に危うさを感じる」。
都内在住の男性は、30分ほど宣伝に耳を傾けました。「消費税がない時代があったことを初めて知った。訴えを聞いて、野党が消費税引き下げを求めていると知った。署名はハードルが高いと思ったけど、生活のためにした」
「若い世代のために署名した」という女性は「これから生活必需品が値上がりする。賃金が上がらない中で子育てする息子を思うと、せめて消費税を引き下げるべき」と話しました。
各団体のリレートークで、全商連の太田義郎会長が訴え。「コロナ禍の下で資材が高騰し、苦しむ業者が大勢いる。全ての国民を支援するには消費税減税が一番だ」と強調。「インボイス制度は、免税事業者に課税事業者を選択するか、取引を諦めるかを迫る地獄のような制度。実施中止を」と力を込めました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員は「この20年間、大企業は経常利益を2・75倍に伸ばしたが、労働者の賃金や設備投資には使われず、内部留保は466兆円まで積み上がった。大企業や富裕層への行き過ぎた減税を見直せば、消費税引き下げの財源はつくれる。逆立ちした税制を逆転させよう」と呼び掛けました。
各地で集会やデモ
さらなる増税が 滋賀県内3カ所で取り組み
滋賀県内の各界連と消費税5%ネットは3カ所で署名宣伝、集会、昼休みデモに取り組みました(写真右)。
JR大津駅前では、30人が参加し、宣伝と集会を実施。滋賀県連の喜多健吉会長は「消費税は『福祉のため』と言いながら、実際には大企業や富裕層の減税の穴埋めに使われてきた。インボイス制度の導入は、さらなる増税のためなのは明らか。今こそ消費税減税とインボイス制度中止へ声を上げよう」と訴えました。集会後、県庁周辺をデモ行進し「消費税は5%に減税せよ」「インボイス制度は中止せよ」「ロシアは今すぐ侵略やめろ」などとアピールしました。
「5%へ減税を」 青森市内で集会
青森県各界連は、青森市内の青い森公園で「怒りの行動デー青森集会」を開き、70人が集まりました。
主催者を代表してあいさつした県連の長内貞光会長は「4月から、さまざまな物が値上がりし、消費税の負担が増えます。国民の生活を守るため『5%へ減税を』の声を届けましょう」と訴え。
集会決議「ウクライナ軍事侵略反対、消費税5%に引き下げ、インボイス制度中止、医療・介護大改悪反対、年金下げるな」を採択した後、会場周辺をデモ行進しました。
弱者いじめるな 福岡県内8カ所
福岡県各界連は、県内8カ所で宣伝を行い、154人が参加。JR博多駅博多口では14団体50人がプラスターやのぼり旗を掲げ、アピールしました。まじま省三参院議員候補(共産)などが参加しました。
福岡県連の田口剛史副会長が「東京の派遣会社で働いている長男から『生活に困り果てている。ティッシュも買えない』と連絡があり、初めて20万円を仕送りした」と訴えました。
不動産業を営む男性は「支持政党はないが、消費税とインボイスは日本を破壊する制度だ。廃止しかない」と話していました。
軍備増強許さず 盛岡市内2カ所
岩手県各界連は、盛岡市内の生活協同組合の2店舗前で宣伝。9団体から18人が参加し、署名59人分が集まりました。
岩手県連の関沢淨会長は、「ロシアのウクライナ侵略を口実にした軍備増強なんて、とんでもない。消費税をはじめとした税制を国民本位のものに転換させよう」と訴えました。「物価が上がっているので、消費税の負担は重い」「年金が下げられ、消費税10%は重すぎる。もう切り詰めるものはない」など悲痛な声が寄せられました。
暮らしの応援を 富山市内で宣伝
富山県各界連は、宣伝カー2台で富山市内を駆け巡りました。富山県婦協の井澤由美子部長をはじめ5団体から6人が参加。ショッピングセンター前では横断幕やのぼり、プラスターを掲げて「消費税5%に引き下げ、営業と暮らし応援を」「インボイス実施は中止に」などと訴えました。
各地の各界連 怒りの4・1宣伝 「消費税引き下げが最大の経済対策」
冷え込んだ消費 高めること必要
北海道各界連
北海道各界連は、札幌大通公園で宣伝を行い、8団体20人が参加。強風が時折吹き荒れる中、「戦争反対!軍事費を社会保障とコロナ対策に回せ」「消費税減税で景気回復を」の横断幕、のぼり旗を掲げてアピールしました。
リレートークで、北海道連の石塚隆幸会長が最初にマイクを握り、「コロナ禍で景気が低迷し、ウクライナ侵略による混乱で、資材や燃料などが高騰している。国民誰もが恩恵を受ける消費税減税で、冷え込んだ消費を高めることが必要だ」と訴えました。
トラのたもつ君 署名を呼び掛け
新潟県各界連
新潟県各界連の宣伝には、トラの着ぐるみ「たもつ」君が登場。春休み中の子どもたちに大人気でした。署名用紙や返信用封筒をきれいにラッピングした「プレゼント袋」を配布し、署名を呼び掛けました。
新潟民商の野上昇会長は「消費税を増税する一方で法人税を減税してきた。労働者の賃金は上がらず、日本経済は停滞したままだ。コロナ禍にウクライナ侵略が加わり、物価高が止まらない。来年10月から実施されようとしている消費税のインボイス制度は免税事業者でも消費税を納めなければならなくなる。今こそ消費税減税、インボイス制度中止の声を上げよう」と訴えました。
減税と賃上げで強く優しい経済
大阪連絡会
大阪市内の、なんば高島屋前の宣伝は、大商連が加わる消費税廃止大阪連絡会と消費税をなくす大阪の会、消費税の増税に反対する関西連絡会と合同で行い、28人が参加しました。
辰巳孝太郎前参院議員(共産)は「自公政権の下で、ため込んだ大企業の内部留保に課税して中小企業支援に充て、賃上げとともに消費税を5%に引き下げ、強くやさしい経済をつくろう」と訴えました。
「資料が欲しい」と声を掛けてきた年配の女性は「消費税を引き下げたら、財源が不足するのでは?」と話していましたが、「大企業が不当にため込んできた内部留保に課税したり、大企業や富裕層への優遇をやめれば、消費税を5%に下げる財源はある」と説明すると、署名に応じてくれました。
2カ月ぶり宣伝 応能負担を訴え
広島各界連
広島民商も加わる消費税をなくす広島各界連は、広島市中心部で宣伝。まん延防止等重点措置が適用されていたため、2カ月ぶりの街頭宣伝となりました。広島民商をはじめ県労連や原水協などから18人が参加し、代表がマイクを次々と握り、「消費税引き下げこそ最大の経済対策」「税は応能負担が原則」などと訴えました。
ウクライナ侵略抗議もアピール
福岡・直鞍地区各界連
直鞍地区各界連絡会は、JR直方駅前で宣伝し、10人が参加しました。
直鞍民商の和田善久副会長(宮若市議、共産)や西藤典子・鞍手町議(共産)らが、マイクを握って消費税減税・廃止を通行人に訴え。ロシアのウクライナ侵略に抗議する横断幕やプラカードを掲げてアピールしました。