「消費税減税、インボイス中止の旗を高く掲げよう!」―。全国商工団体連合会(全商連)も加わる3・13重税反対中央実行委員会は11日、衆院第二議員会館で「第53回3・13重税反対中央各界代表者集会」を開きました。オンラインで全国17カ所を結び、中央会場には各団体から60人が参加。集会終了後、代表者が国税庁、総務省に要請しました。
税制の抜本的見直しを 中央各界代表者集会
全商連の太田義郎会長は主催者あいさつで、「3・13集会が始まった52年前、国民の税・社会保障負担は24・7%だった。しかし、今は46%になっている。江戸時代なら百姓一揆が起こってもおかしくない状況だ」と強調。消費税の5%への減税、インボイス中止の声を広げる大切さを訴えました。また、ロシアによるウクライナ侵略に触れ、「平和でこそ商売繁盛」を掲げ、憲法を守っていく運動を呼び掛けました。
日本共産党の田村貴昭、本村伸子両衆院議員が激励のあいさつ。立憲民主党の下条みつ、馬淵澄夫両衆院議員(いずれも秘書が出席)がメッセージを寄せました。
「パンデミックと財政の大転換~新自由主義にどう立ち向かうか」と題して、(財)政治経済研究所の合田寛さんが講演。新型コロナ感染症の広がりと、効率優先・市場万能主義の新自由主義の影響で、公衆衛生や雇用、気候変動、社会の分断と崩壊の危機が進行してきたことを解き明かし、「短期的な方策でなく、長期的・総合的に解決していく必要がある」と指摘しました。日本と世界各国で広がる「所得と富の不平等」、総税収に占める消費税比率の高まりを示しながら、「国の税制と財政の抜本的な見直しが必要だ」と述べました。
意見交換では、「インボイス制度が導入されたら、出版フリーランスの大半は1割以上の年収減になる」(出版ネッツ)、「インボイス制度は、業者を互いに監視させるもの。中止させないと」(全国生活と健康を守る会連合会)、「ジェンダーギャップ指数で日本は156カ国中120位。男女の不平等を引きずる所得税法第56条の廃止を」(日本婦人団体連合会)、「付加価値税を導入している国・地域の44%が消費税減税に踏み出した。日本でも実現しよう」(全商連)、「大企業からきちんと税を徴収すれば、46兆円の税収増になる。国債への依存も減らせる」(浦野広明税理士)などの発言がありました。
倉敷民商弾圧事件に対する支援の訴えに続き、ロシアによるウクライナ侵略に抗議する特別決議も採択されました。
請願を真摯に受け取れ 国税庁交渉 「権利尊重し誠実に」
国税庁では、申告納税制度の下で、納税者が提出する確定申告書を必要な体制を取って受理することや、出された請願は憲法で保障する請願権を尊重して真摯に受け取ること、行政指導で納税者に接触し、調査に切り替えることはやめることなどを要望しました。
庁側は「確定申告書の提出は、感染防止対策を取りながら納税者が安心して申告できるよう配意している」「請願の権利は尊重し、関係各課に振り分けるなど誠実に処理している」「来署依頼は、行政指導か調査かを明示して伝えることとしている。来署依頼は日時を指定するが、都合が悪い場合は、調整して実施している」と回答しました。
岐阜・多治見税務署が、年金者組合が提出する請願書を「受け取らないと回答した」ことについて庁側の見解を求めたところ、「事務運営指針で、担当外の請願は受け取らず、請願法に基づき適切な役所に提出するよう促している」と答えました。参加者は「『うちに持ってくるな』と目くじらを立てるような、かたくなな態度は取らず、請願権行使という観点で取り扱ってほしい」と要望。また「今年は請願を受け取るが、来年は代わりにマイナンバーを書けと言われた」ことについて、庁側は「申告書への番号記載は義務」と回答したため、「自分の番号を知らない人もいる。マイナンバーカード取得は任意で、4割しか取得していない」と抗議。庁側は「番号の記載がないことで罰則はないし、不利益もないことは変わらない」と改めて回答しました。
金融機関への反面調査について「『やむを得ない場合に限って』というが、現場では『取引先に行かれては困らないか』と脅しともとれる話がされている。取引先の信用を無くす反面調査はやめること」を要望しました。
地方税の減免推奨を 総務省交渉 「自治体の判断で可」
総務省交渉では、①コロナ関連の給付金などを受給したことで地方税などの負担が増えないよう自治体に減免制度を推奨する②コロナ収束まで地方税の差し押さえは行わず、滞納分にコロナ関連給付金等を充当しない③自治体情報システムの標準化・共通化によって自治体の独自施策を廃止させないようにする―などを求めました。
地方税の減免について、省側は「減免制度の創設や実施を推奨するといった立場にないが、住民税の減免は、各自治体が適切に判断すべきものと考えている」と回答。「公営住宅の入居者が今年の協力金を受けると、入居基準額を2年連続で超過し、退去を迫られるため、受給できないという問題が起きている。自治体の判断で特例の扱いや減免しても構わないのか」と重ねて質問すると、「減免を行う趣旨を自治体において適正に判断いただく」と答えました。
地方税の差し押さえなどについては「滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で、適正な執行に努めるよう文書で示しているほか、徴収関係の地方研修を実施している。コロナ関連給付金等は法令上、差し押さえが禁止されていないが、給付の趣旨を踏まえて適切に対応するよう文書(「新たな経済対策による給付金等の差押えに係る取扱いについて」2021年12月24日付事務連絡)で通知している」などと述べました。
自治体システムの標準化については「独自施策を阻害するものではない。各自治体における独自施策実現のため、円滑な情報連携を担保し、柔軟な対応ができるように必要な基準を策定する」と回答しました。