福岡県宮若市議会は2月15日、「消費税インボイス制度の実施中止を求める」意見書を全会一致で採択しました。意見書を提出した直鞍民主商工会(民商)副会長で税対部長を務める和田善久市議(共産)=建築=は「議会が始まる前に保守系の議員7人を呼んで、インボイス学習会を開いた。民商で学んだことが生きた」と声を弾ませています。
2市2町全自治体採択へ
和田市議は1月28日、「国に対し、『消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書』提出に関する請願書」を遠藤嘉昭議長に提出。2月4日から始まった第1回定例会で審議しました。
同9日の総務委員会では、意見がほとんど出ず、賛成少数で不採択に。同15日の本会議で和田市議は、「直鞍民商が事前に全議員にインボイス制度の資料を送ったが、内容を理解して審議に臨んだのか?住民の請願権を踏みにじっているのでは」と総務委員長に質問。「委員会で意見や質問が出なかったことから、採決を取り、不採択となった」との回答に、和田市議は「市内の商工会や商工会議所、シルバー人材センターの3団体を訪問し、いずれも中止や延期を求めていると聞いた。ある米販売業者は仕入れている農家に対して『課税事業者になっていただかないと、当店では米の買い取りができない』とすでに通知を出している」と地域の実情を伝え、「身近な所で、このような動きが出ていることも知らず、審議ができるのか」と問いただしました。学習会に参加した弓削田敬市議(無所属)が賛成討論に立ち、「インボイスが無くても税額計算はできる」「消費税は“預かり金”ではない」と「インボイス中止」を求め、本会議での採択に。賛成10、反対4、棄権1で請願が可決されました。
続いて、和田市議が緊急提出した「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書」を審議。質疑や討論は無く、全会一致で採択されました。
意見書採択は、福岡県商工団体連合会(県連)の提起を受け、直鞍民商が日本共産党の議員団と相談しながら、採択をめざしてきたもの。和田市議は、「税対部会で、インボイス制度が実施されれば大変なことになると話し合い、民商が受け持つ2市2町の3月議会に請願・陳情しようと取り組んだ。先頭を切って採択され、うれしい」と話します。「家業の建築業も、インボイスが実施されれば、大手との仕事ができなくなる。人ごとではない。全自治体の採択に向け、引き続き奮闘する」と意気込んでいます。