安倍元首相ら「核兵器の共有」発言 「非核三原則」厳守し改憲阻止を|全国商工新聞

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 ロシア軍の侵攻で、多くのウクライナ市民の命が奪われ、暮らしと平和が根底から破壊されています。ロシア国内を含め世界で「戦争やめろ」とプーチン政権を糾弾する声が沸き起こっています。
 国連では安保理の呼び掛けで、総会緊急特別会合が40年ぶりに開かれました。事務総長や総会議長はもとより、各国の代表が口々に「国際法と国連憲章への明白な違反」を厳しく指摘し、2日にはロシア非難決議が圧倒的多数で採択されました。どんな口実を持ち出しても、むき出しの領土拡張=覇権主義の暴挙は絶対に許されません。平和秩序を再構築するべきです。ロシア軍の即時無条件撤退を要求し、ウクライナ東部・親ロ派支配地域の「独立承認」の撤回を求めた決議をプーチン大統領は受け入れ、戦争責任を負うべきです。
 見過ごせないのは、この危機に乗じて、日本の右翼的潮流が憲法9条を攻撃し、核兵器の共有検討を声高に叫んでいることです。その中心的な存在が安倍晋三元首相です。安倍氏は、テレビ番組でロシアの領土的野心を否定し、ウクライナが侵攻されたのは核を放棄したからだとの趣旨を語り、「核兵器の共有」を日本も議論すべきと強弁しています。「力の論理」を信奉して核武装の暴論を振りまく安倍氏の態度は言語道断です。
 ウクライナ市民の勇敢な抵抗を国際社会が応援していますが、日本が万が一、専制国家の侵略を受ければ、自衛隊の活用を含め、あらゆる手段で国民の生存と人権、国の主権を守り抜くのは当然です。しかし、岸田政権が進める「敵基地攻撃能力」の保有は、アメリカが起こす戦争に自衛隊が「相手を殲滅」する打撃力で参戦することです。そうした「力の論理」を拒否するのが憲法9条に基づく平和外交であり、アジアの緊張緩和に生かすべきです。戦争被爆国の日本政府が国是の「非核3原則」を厳守し、核兵器禁止条約を批准してこそ、被爆者を含む広範な市民社会の信頼を得られます。
 「平和でこそ商売繁盛」の信条を生かした民商・全商連の本領発揮が強く求められています。反戦の世論と運動で、安保理・常任理事国のロシアにも平和秩序を守らせると同時に、9条改憲阻止の大運動を展開しましょう。

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