鳥取県 緊急応援金を創設したが 「固定費すら払えぬ」の声も|全国商工新聞

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 政府は2月20日、「まん延防止等重点措置」を山形・島根・山口・大分・沖縄の5県で解除するなど、感染防止と経済活動の両立を模索しています。しかし連日、全国で6万~9万人の新規感染者が確認される中、飲食店から「解除されても、客足が戻らない」「感染収束の出口が見えるまで支援が必要」との悲鳴も聞こえます。各地の民主商工会(民商)は、それらの声を行政に届け、独自の支援策を求めています。

米子市の繁華街、朝日町。客足はまばらです

 鳥取県では業者の声が行政を動かし、県独自の「オミクロン株影響対策緊急応援金」が創設されました(下の図)。しかし、「20万円の支援ではやっていけない。まん延防止措置の適用を」と求める声も上がります。
 県内でも1月8日頃からオミクロン株の流行が始まり、同16日頃には過去最高の感染者数を確認。県は特別警戒警報を出し、同27日には外出自粛要請が出され、飲食店等では自主休業に追い込まれるところも出ました。
 ところが、平井伸治知事は「オミクロン株は従来とは違う」として「まん延防止措置の適用はしない」と申請を拒否。事業者は時短営業協力金などの補償を受ける機会を絶たれました。
 「家賃が払えない」「仕入れを全て廃棄した」など業者の怒りが爆発。民商・県連は、日本共産党の市谷知子県議を通じ、「まん延防止措置を適用し、時短等協力金を出すよう」知事に緊急要望を行いました。
 米子市の飲食店街「朝日町」では緊急署名も取り組まれ、民商も「事業者に補償を求める」請願書を提出しました。
 これらを受け知事は2月3日、外出自粛要請を解除し、「緊急応援金」を作ると発表しました。同応援金は地域・業種を問わず、1~2月の売上高が過去3年間の同時期と比較して30%以上減少していることを条件に、売り上げ規模に応じて1事業者当たり「20万円~40万円」を上限に支給します。国の事業復活支援金や県のコロナ禍再生応援金などとの併給もできます。
 朝日町でバーを営む民商会員は「われわれの声や署名が力になり、行政を動かしたと喜んだが、オミクロン応援金だけでは時短営業協力金の半分程度で、固定経費すら払えない。2月17日には鳥取、米子の両市で特別警報が再度出され、客足は依然戻らない。知事には現状を直視し、日常が取り戻せるまで継続支援を考えてほしい」と話します。

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