日本出版者協議会(出版協)は4日、「インボイス制度(適格請求書等保存方式)に反対する」声明を発表しました。
出版協は、出版業界のさまざまな課題に対して活動することを目的にした、人文・芸術等の出版社73社が加盟しています。
声明では、出版の現場は著者をはじめライターや編集者、校正者、デザイナー、カメラマン等多くのフリーランスが関わり、年間売り上げが1千万円以下の免税事業者も多く、インボイス制度が実施されれば、インボイスを発行するため課税事業者への変更を余儀なくされると強調しています。
出版社が、これまで仕入税額控除ができた分の消費税を新たに負担することは困難であり、著者や製作に携わるフリーランス等が免税事業者であっても、インボイスの発行をお願いせざるを得ないと窮状を訴え、インボイス制度は、これまで免除されていた消費税を、業者間で押し付け合いをさせた上で、税務署が確実に取り立てる制度だと批判。さらに、出版社と製作に携わる人々との関係を悪化させ、免税事業者が取引から排除されかねないと指摘し、事務負担の増加も懸念しています。
出版社や出版物の製作に携わる人々だけでなく、多くの事業者に負担を増大させるとともに、免税事業者をつぶし、簡易課税方式の縮小・廃止、消費税増税への地ならしといえるインボイス制度実施の中止を求めています。