インボイス中止で対話弾む 静岡県連 署名賛同求め14団体訪問 かつてない反応が続出|全国商工新聞

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 「消費税インボイス問題で、こんなに対話が弾むとは!?」―。静岡県商工団体連合会(県連)は、県商工会議所をはじめ業界団体・組合など45団体にインボイス中止を求める団体・個人署名を送付。1月26日には大石秀之会長と西野雅好副会長、瀬川るみ事務局長が14団体を訪ね、3団体が団体署名に応じました。従来の業界団体訪問とは違って対話が弾み、インボイス中止に共感が広がりました。

 県連は、1月初旬から団体・個人署名を送付。1週間後、県コンクリート製品協同組合から団体署名が送られてきました。対応の速さに驚き、訪問活動にも力が入りました。

県美容業生活衛生同業組合 その場で団体署名応じ

 県美容業生活衛生同業組合では、その場で事務局長が団体署名に応じました。「最近は組合に加入する美容院も減り、若い会員が少ない。加入していても、こういう動きは『関係ない』という感じで、なかなか浸透しない」と話しつつも、「個人署名は役員会などで呼び掛ける」と積極的に受け止められました。

県麺類業生活衛生同業組合 「小さなそば店は大変」

 団体署名と役員の個人署名を準備して訪問を歓迎してくれたのは、県麺類業生活衛生同業組合。女性事務局員は「うちの組合は、小さなそば店が主なので、インボイスが実施されれば、本当に大変」と不安を口にしました。「企業が接待などで飲食店を利用すれば、インボイスを求める」などの問題についても意見交換。「個人署名が集まったら連絡します」と約束してくれました。

県料理業協同組合 「署名は会員に回覧」

 県料理業協同組合を訪ねると、女性事務局員が電話中だったため、書類を置いて引き上げようとしたところ、「待たせて、ごめんなさい。書類を見て、役員会で『協力しよう』と話し合った。署名は会員に回覧している」とうれしい反応が。こちらも署名が集まり次第、連絡してくれることになりました。

県商工会連合会 「役員会で必ず検討」

 県商工会連合会では、企画経営課の専門監と主幹の2人と懇談。「地域の商工会は業者との接触があるが、県本部は接触が無いため、業者の声が直接伝わってこないが、インボイスは本部も反対を表明しており、署名の趣旨も理解できる。団体署名は、役員会で必ず検討します」と力強い言葉が返ってきました。

 飲食関係組合の事務局長は、「インボイスの問題は組合でも学習会を開いているが、まだよく理解できていない」との話も。インボイス制度が小規模事業者に与える影響や、飲食店は接待交際費の関係でインボイスを求められる可能性があることを伝えると、手渡したリーフを受け取り「内容をよく勉強します」と語っていました。
 大石会長は「これまで団体訪問をしても、なかなか賛同が得られなかったが、インボイスの問題では、対話をすればするほど反応が返ってくる。地域でも団体訪問を強め、署名を広げたい」と話しています。

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