印刷工程で生まれる紙の切れ端や、印刷で残った紙の利用ができないものか―。そう考えていた、京都の「井上印刷」の井上直樹さん(上京民主商工会会員)は残った紙を溶かして、「御朱印帳」を試作しました。
創業50年の印刷業を20年前に継いだ直樹さん。印刷ブローカーからの下請け仕事を中心に、伝票関係やプログラムの印刷などを中心に手掛けてきましたが、仲介業者の高齢化や廃業で、新しい顧客の開拓が課題になっていました。
「消費者に手にとってもらえる商品として、印刷物を届けることができないか」。そう模索していたとき、残紙を粉砕し、溶かすと、厚みのある和紙のような味のある風合いの紙がすき上がりました。
そこで試作したのが、寺社の参拝で使われる御朱印帳です。数年前から御朱印帳を手に寺社を巡り、御朱印を集めるのがブームとなっていることを知り、印刷技術が生かせるのではと考えました。
パソコンも購入し、京都市中小企業等再起支援補助金も申請し、ネット販売も準備中です。
「コロナ禍で、仕事はこれまでの半分に減っているので、ネットでの直接販売で活路が開ければ」と期待を込めます。
TEL:075-821-1295