全国商工団体連合会(全商連)も加わる中央社会保障推進協議会は12月12日、「国民健康保険(国保)学習交流集会」を開催。オンラインを中心に約180人が参加しました。都道府県が策定した2021~23年度の国保第2期運営方針の動向や徴収現場の実態などを学習、交流しました。
神奈川自治労連の神田敏史委員長が「第二期運営方針の進捗と各地域の動向、次期国保料(税)について」をテーマに講演。「国が解消を迫っている法定外繰り入れは、決算補填等目的の部分。国保料・税の減免や基金積立金に充てる法定外繰り入れは解消を求めていない」「都道府県での保険料水準の統一は、医療費適正化や収納率向上などが条件となっている」と指摘しました。
(公財)日本医療総合研究所の寺尾正之さんは「医療費適正化計画の中での国保の位置づけと国のねらい」と題して講演。「計画の狙いは医療費の伸びを抑えること。根底に『健康の自己責任』の押し付けがある。経済的弱者が受診抑制に追い込まれている。地域や現場で起きている『事実の重み』を伝え、声を上げる人の裾野を広げることが大事」と強調しました。
「国保の徴収現場から」では、自治体職員が滞納整理の実態を報告しました。
千葉県商工団体連合会(県連)の鈴木英雄さんは、県連の実態調査を基に発言。「国保料・税などの税金を滞納してないと回答した人でも、生活費や事業費を削っていたり、借金して払っている実態が浮き彫りになった。自治体職員は市民に寄り添った丁寧な対応を」と強調しました。