「70年間の歴史を未来につなげ、コロナ禍を乗り越え、地域に根差した強くて大きな民商・全商連をつくろう」―。全国商工団体連合会(全商連)は14日、創立70周年記念の集会・式典を東京都内の「ホテル椿山荘東京」で開き、各界の来賓や招待者を含め305人が参加しました。
「世直し・人助けの民商を大きく」の大運動の中で開かれた同集会。当日まで、地元では商工新聞読者・会員拡大が続き、延べ175組織が顕彰基準を突破しました。
長引くコロナ禍で、全国の仲間が一同に集まるのは約1年半ぶり。会場には再会できた喜びと、創立70周年を迎えた確信が広がりました。
記念集会では、太田義郎会長があいさつ。「会員や友好団体、民商OBの皆さんの募金によって新しい全商連会館を建設できた」と感謝した後、70年の歴史を振り返り、「次の10年に向け、全業者と対話し、業者要求を実現できる政府をつくるため、地域に根を張った強くて大きな民商・全商連を」と訴えました。
岡崎民人事務局長が報告。拡大運動の到達を明らかにし、この間の運動の前進面を強調し、70周年の歴史を約10年ごとに概括しました。総選挙の結果を踏まえた今後のたたかいや、当面の要求運動と組織建設の方向を指し示しました。
顕彰基準を突破した組織が読み上げられ、代表があいさつ。藤川隆広副会長が閉会あいさつをしました。
記念式典では、来賓が祝辞を送り、民商歴50年以上在籍の会員や勤続30年以上の事務局員など功労者を顕彰。代表2人が謝辞を述べ、懇親では、来賓から温かいスピーチが送られました。
会長あいさつ(要旨)
国民各層と連帯を強めて モノ、人、心が回る社会を
全商連会長 太田 義郎
全商連の70年の歴史は、「集まって相談し、たたかって要求を実現させる」ことを貫いてきました。たたかいの中から「平和でこそ商売繁盛」を掲げ、「ビキニ水爆実験」の影響を受けた鮮魚商や民商会員が水爆禁止を求める署名を呼び掛けたことをきっかけに広がった原水爆禁止運動や、無担保・無保証人の制度融資などを実現してきました。こうした要求に基づく運動の中から「三つの理念」を確立し、この理念が最近の国政選挙における「市民と野党の共通政策」を結ぶ運動へとつながっています。
この間の新自由主義政策によって、地域の経済や文化、歴史、風俗、彩りなどが失われる中で、中小業者は、地域経済の担い手となって街を支えています。地域に「モノと人、心」が回る、地産地消の経済こそが本来の経済です。
民商・全商連は70年間、さまざまな運動を通じて成果を挙げてきました。税制の民主化や、業種別対策で経営を守り発展させる運動、憲法を暮らしと生業に生かす取り組みなど大きな役目を果たしてきました。しかし、われわれ業者は国民全体の中では少数派にすぎません。各階層や女性、青年、学生、何より農民や漁民の人たちと共同し、連帯する中でこそ要求は実現できます。
所得税法第56条の廃止、貧困と格差の是正、ジェンダー平等、気候危機打開などの要求を実現するためには「強くて大きな民商」が必要です。全商連創立80周年、次の10年に向けて共に頑張りましょう。