埼玉・川口民主商工会(民商)は先ごろ、経営対策部の主催で「建設業キャリアアップシステム(CCUS)」学習会を行い、10人が参加。7月の経営対策部会で「CCUSに登録しないと現場に入れない」という声が複数出されていることが議題になり、「まだCCUSを知らない建設業の会員に知ってもらおう」と開催したものです。
佐々木省仁会長=建設=が開会あいさつ。「建設業はCCUS、偽装一人親方、インボイス制度など問題が山積している。今日の学習会をきっかけに、いち早く対策を講じて、営業と暮らしを守っていきましょう」と呼び掛けました。
学習会は、「CCUS」「偽装一人親方問題」「インボイス制度」「社会保険加入」などについてのユーチューブ動画を視聴した後、根本大輔事務局員が詳細を解説。情報交換と質疑応答を行いました。
参加者の中で唯一、CCUSに登録していたYさん=塗装=が「埼玉土建一般労働組合で書類登録を行い、3カ月でカードが届いた。資格があるのでレベル3に該当すると思う。CCUSの普及には反対だが、将来的に建設業では技術だけではなく、資格も重要になってくる。しっかりと対応したい」と、登録の経緯を説明。①登録には費用がかかる②2023年には民間を含めた全現場で適用③「適正と考えられる一人親方」と認められるには、1~4まであるレベルの中で3以上が必要④レベル3を取得には、高度な資格取得や経験年数などのハードルが高い―ことを学習しました。
都合が合わず学習会に参加できなかった会員の体験談として、「7月末にネット申請で登録したが、そろえる書類が多く、修正も度々あって、申請から完了まで2カ月以上かかった。お金を何度か払ったが、いまだにカードが届かず困っている」ことも紹介しました。
「周りの建設業者は誰も知らないので参加した。これからの建設職人は大変だ」「レベル3を取らなければ一人親方と認められず、社会保険加入が必須に。個人事業主は法人成りするか、元請けに雇用してもらうしかないということか…」などの感想が寄せられました。
北畠光徳副会長=塗装=が閉会あいさつ。「民商でも制度改善を求めたり、一人親方が排除されないよう運動していくことが大切だ」と話しました。