全中連が省庁交渉 コロナ禍救う業者支援を|全国商工新聞

全国商工新聞

 コロナ危機打開、中小業者への支援強化などを求め、全国中小業者団体連絡会(全中連)は9月22日、国税庁と国土交通省に要請。各地の民主商工会(民商)会員らの切実な実態と要望を届けました。

【国税庁】団体への誹謗中傷あってはならない

 国税庁には「無予告調査はやめること」「本人調査を尽くさないまま、デジタル化による金融機関へのオンライン照会を行わないこと」など9項目を対面で要請しました。
 冒頭、名古屋南民商会員に対する熱田税務署の違法調査の実態確認と署員への厳正な指導を要求する要請書を提出。事前通知もなく突然来店し、お客のいる前でレジや伝票を調べ、本人の承諾なく伝票にナンバリングするという違法行為を行った署員に謝罪させ、調査を終了するよう求めました。
 東京・東村山税務署が、消費税滞納分の納付相談を行っていた清瀬久留米民商会員に対し、「民商をやめて税理士に頼んだ方がいい」「民商が粉飾決算をしているのではないか」などと暴言を吐いた事例の是正を求めると、「個別事案には答えられない」。「民商が粉飾決算をしているなどとの誹謗中傷は、公務員が言っていいことではない」と重ねてただすと、一般論としながら「誹謗中傷は、あってはならない」と答えました。
 10月1日から始まる金融機関へのオンライン照会について、「反面調査は質問検査権に基づき、納税者本人だけでは取引実態が正確に確認できない場合など、やむを得ない場合に限り行う。オンライン化になっても署員の判断だけで勝手にできるものではないが、調査に協力的でない場合は、本人調査の前に反面調査を行うこともある」と回答。「納税者が立ち会いを求めた場合など、一方的に『協力的でない』と判断するのではないか」「納税者の預かり知らぬところで、照会や反面調査が歯止めなく行われる恐れがある。個人情報保護の観点からチェックする仕組みを導入すべき」と要求しました。庁側は「金融機関が納税者に対し、反面調査の連絡があると知らせることまで否定するものではない」と答えました。
 要請には、日本共産党の清水忠史衆院議員秘書が同席しました。

【国交省】「GoTo」でない施策を考えている

オンラインで国交省に要請する全中連の岡崎民人事務局長(左)ら

 国土交通省には、全商連会館とオンラインでつないで要請。岡崎民人事務局長らが①豪雨災害の再発防止策の優先と復旧事業の地元中小業者への発注推進②ウッドショック問題の実態を明らかにし、国産木材の積極活用や地元中小事業者への発注を促進③「GoToトラベル」事業のコロナ収束までの中止と観光業への直接支援制度創設④建設業界の労働環境改善と人手不足解消への支援拡充―などを求めました。
 省側は9人が応対。「地元の中小業者は災害対応などの地域の守り手。分離分割発注の推進や地域要件の設定などに努めている」「木材調達状況はやや、ひっぱくしている。木造建築物に関する技術資料を整備して、各省庁や地方公共団体への普及に努めている」などと回答。
 観光業者への直接支援については、「『Go To』が感染拡大の原因ではない。事業再開のアナウンスが中小事業者の希望の光と思っている」などと強弁する一方で、「総理大臣が変わるタイミングで、『Go To』以外にも、業界に広く効果が行き渡る施策を考えている」と述べました。
 「設計労務単価の引き上げが、末端まで届いているのか」「キャリアアップシステムも登録料が引き上げられ、小規模事業者には負担が重い」「インボイス実施も処遇改善に反する」などの指摘には「引き続き周知を図り、理解が得られるよう取り組みを進める」などと応じました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから