「国民健康保険(国保)料決定通知書を見てビックリ。昨年の5倍の金額に、間違いじゃないかと何度も見直した」「店を開けていても平日はほぼゼロ。どうやって、払えばいいのか」―。国保減免相談でのスナック経営の会員の声です。
コロナ危機で収入減少が続く中、国や都道府県からの給付金が事業収入とみなされ、税金・保険料負担が重くのしかかっています。医療・介護では、政府・財界が「全世代型社会保障」の名の下に高齢者の給付を抑制・削減し、逆に社会保障費用を負担するよう迫る政策を進めています。
この8月にも、特別養護老人ホームなどの介護施設入居者の食費・居住費を軽減する制度である「補足給付」が改悪され、高齢者への負担が急増しています。
年金などの収入要件と預貯金などの資産要件をクリアしなければ、制度からはじき出され、退所を余儀なくされる危険もあります。食費の負担は施設入居者の場合、月額2万2千円も跳ね上がり、短期入所(ショートステイ)利用者にも影響が及びます。
自公政権による社会保障抑制政策は、コロナ禍で苦しむ国民の実態を置き去りにしています。先の国会で、75歳以上の単身世帯で年収200万円以上、複数世帯では計320万円以上の医療費窓口負担2割化法を強行したことからも分かるように、新型コロナウイルス感染症拡大前に打ち出したものでも、方針を変えずに強行しているのです。
いま政府や自治体がやるべきことは、コロナ禍に「誰一人取り残さない」負担軽減策を手厚くすることです。
新型コロナの影響を受けて収入が減少した場合の国保の減免申請では、群馬県渋川市が持続化給付金を含めた収入で減少率を確認するコロナ特例減免の独自基準を創設しています。支援の対象者を広げられるよう、地元の自治体に対し、地方創生臨時交付金の活用を求める要請を強めることが大事です。
政府は緊急事態宣言下で東京五輪の開催を強行し、感染症の爆発的拡大を招き、医療現場を崩壊の危機に追い込んでいます。菅政権の無為無策を、これ以上続けさせてはなりません。国民の命と暮らしを守る世論と運動を地域から大きく広げましょう。