大阪商工団体連合会(大商連)は6月23日、大阪府にコロナ禍で9回目となる要望書を提出。「全国一遅い協力金」「問題だらけのゴールドステッカー」を役員ら11人が追及しました。飲食店を中心に集めた「コロナ実態アンケート」結果(図1)に基づき、半年以上繰り返される時短・休業要請で、飲食店の売り上げが激減し、協力金の支給遅れで経営も精神も疲弊している実態を示しました。
【調査期間】2021年5月21日~6月22日
【対象】大阪府内飲食店など
【回答数】飲食店563件、飲食店以外121件。集約結果は飲食店470人分
【調査方法】訪問、電話聞き取りなど
冒頭、原田孝夫副会長=ソフトウェア製作=が「2月の交渉時は、知事官房である施策企画部がドタキャンし、話ができなかったが、今回はようやく出席してくれた。業者の実態を受け止め、前向きに検討を」と求めました。
協力金の支給遅れについては、主要都道府県の審査体制一覧(図2)を示しながら、「大阪では今年1~2月の2回目の緊急事態宣言の協力金が64%の支給にとどまり、全国一遅い。審査にあたる府職員が2~3人と圧倒的に少なく、審査をパソナに丸投げしていることが原因」と、実態を明らかに。「大阪府は不備・不正の摘発に躍起になり、インターネット情報と照合したり、レジの履歴など無茶な追加資料の提出を求めている」と指摘し、改善を求めました。
商工労働部は「全国一遅いのは認める。大変申し訳ない」と謝罪する一方、「ここ数カ月、すごい速さで改善している。第1期(要請期間=1月14日~2月7日)は実行率95%。残り5%は全て不備」などと強弁。
参加者から「5%と簡単に言うな。1件1件に命がかかっている」「要件は満たしているはずなのに、何の説明もなく、さみだれ式に追加資料を求められる。後出しジャンケンはやめろ」「このままでは廃業だ。私たちは香典を求めているのではない。府の時短・休業要請に応えた店に協力金を直ちに支払え」と怒りが集中しました。
「大阪府がやるべきことは、要請に応えた全ての飲食店に、協力金を迅速に支給することだ」と、府の認識をただし、第3期(3月1日~4月4日)までを6月中に、第4期(4月5~24日)以降は、申請から10日以内に実行するよう、強く求めました。
まん延防止等重点措置の期間中、酒類を提供するために申請が必要な大阪府の独自制度「ゴールドステッカー」についても、批判が集中。「小規模事業者いじめ」「不公平だらけ」「あずさんまりに急で杜撰」など問題点を指摘し、直ちに撤回するよう求めました。政策企画部は「従来のブルーステッカーでは、業種別ガイドラインの順守が必要なのに、対策をせずに申請した店があった。ゴールドステッカーは現地確認があるので、頑張っている方が報われる制度」などと発言。
「感染対策を取っていない店なんてない!感染者が出れば近所から責められ、大問題だ。しかし、小規模事業者は43ある基準を全てをクリアできない場合もある。実態に合わせ、柔軟な対応を」「感染防止対策は賛成だ。しかし、優遇措置と連動させることは大間違い。酒類提供の可否は飲食店にとって死活問題。こんな不公平な制度で決めるべきでない」「800人の職員を現地確認でなく、協力金の審査に」などと重ねて要望しました。