売り上げが5割以上減少している中小業者に、国の一時支援金の即時支給を―。
売り上げ減少月の台帳や本人確認資料など、制度の要綱に沿った必要資料を添付し申請しているのに、給付金事務局が不備メールを乱発し、必要な支援が行き渡らないでいる問題の改善を求め、兵庫県商工団体連合会(県連)は14日、中小企業庁に要請。兵庫、灘、神戸、神戸北の4民主商工会(民商)から11人が上京し実態を直接訴え、速やかな支給を求めました。
兵庫民商のKさん=理容=は「阪神大震災を乗り越え、商売を50年続けて、家族を養ってきた。一時支援金は命をつなぐもの。税理士の事前確認を経ているのに不備とされる事態を、すぐ改善してほしい」と訴え。Kさん=美容=とTさん=飲食=も「求められたあらゆる資料を付けても不備に。現金取引は対象外なのか」と思いをぶつけました。
現金取引のため、顧客との取引実態を示すのが困難な事業者に対し、事業にかかる経費を支払ったことが確認できる請求書や領収書、2019年と20年の2年分の売り上げが確認できる帳簿をそろえて提出するよう迫られています。
参加者は「同じ業種、同じ条件で申請しているのに、支給されている人と不備の人が出ている。審査の基準を示すべきだ」「許可業種で事業実態を示しても、嫌がらせのように不備メールが。コールセンターに聞いても何が問題か答えられず、申請を諦めさせるのが目的としか思えない」と、不備を7~8回も修正し申請している事例などを挙げ、直ちに改善するよう迫りました。
中小企業庁の担当者は「現金取引でも要件を満たせば、支給するよう対応している」「審査判断のばらつきがある問題は、事務局に確認し、改善できるようにしたい」と回答。コールセンターへ連絡しても、責任ある改善対応が図られない問題については「対応先を含め、改善策を考えたい」と述べ、提示した不備事例についての個別対応を約束しました。
要請には、日本共産党の清水忠史衆院議員も同席。「事業の継続を支援するという制度の趣旨を踏まえ、対応を改善し、速やかに支給すべき」と求めました。