緊急事態宣言が再延長 県連が自治体要請で成果|全国商工新聞

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 変異株主体の新型コロナウイルス感染拡大の「第4波」が長引く中、「緊急事態宣言」が9都道府県で6月20日まで再延長することに。感染拡大は高止まりし、出口の見えない長期化で資金繰りは厳しさを増す一方です。苦境に追い込まれた業者の切迫した声を受け、自治体の追加支援の動きもありますが、財政難が立ちはだかります。国の地方創生臨時交付金などが、必要額に追いついていないのは明らか。「宣言を延長するなら、支援の追加」は当然です。

【東京都】月次支援金に都が独自加算 東商連の要請実る

都に要請書を手渡す東商連の小林昭子副会長(左から2人目)

 東京都は5月20日、国の「月次支援金」(左下に関連記事)に独自加算をすることを明らかにしました。東京商工団体連合会(東商連)の再三の要望などを受けてのもの。
 月次支援金に「上乗せ」と「横出し」の独自支援を実施します。対象月の売り上げが50%以上減少の事業者に法人5万円(酒類販売20万円)、個人2万5千円(同10万円)を上乗せ。売り上げ減少率が30%以上50%未満の事業者も支援の対象に含め、法人10万円、個人5万円を支給します。
 持続化や家賃支援の給付金など、国の支援制度は次々に打ち切られ、新たに設けられた一時支援金・月次支援金などは売り上げ半減などが条件です。「もともと売り上げが減って、ギリギリの経営。2割、3割減でも、つぶれてしまう」「支援金も融資も底を突いた」という声も多く上がっています。
 東商連は、コロナ危機の影響を受けているのに、支援対象から漏れる事業者が多数出ていることを受け、繰り返し、都に要請。「影響を受けた全事業者を対象に、家賃・固定費の補助、売り上げ・所得の減少に対する支援金など、独自支援制度をつくり、継続的に最大限の支援を行うこと」を求めてきました。
 東商連の小林昭子副会長は、「時短・休業要請に応じた飲食店への都の協力金は支給が遅れ、『このままでは生活できない』と悲鳴が上がっている。今回、飲食店以外の支援が一部拡充したことは評価したいが、業種・業態や規模によっては全然足りない。商売をつぶさせない立場で、最大限の支援拡充を求めていきたい」と話します。

【愛知県】30%減も対象 個人に20万円 県連の要請実る

愛知県に要請する県連の服部守延会長(右)と加藤三重子副会長

 愛知県は5月18日、県の「中小企業者等応援金」の「売上要件」に、今年4~6月の売り上げの合計が「30%以上50%未満減少している」業者も加え、法人に上限40万円、個人事業者に同20万円を交付することを明らかにしました(いずれも1回限り)。
 同応援金は、4月以降に実施された「緊急事態措置」や「まん延防止等重点措置」による休業要請・営業時間短縮要請や外出・移動の自粛などの影響に伴い、売り上げが減少した中小業者を支援するもの。
 発表前日の17日には、愛知県商工団体連合会(県連)が県に要請。県連の服部守延会長は「飲食店への協力金は一日も早く支給を。取引業者などへの国の一時支援金は50%以上減収が要件だが、それでは救われない業者が多数いる。せめて30%以上減少した業者への支援を実施してほしい」と要望していました。名古屋市内でレストランを営む、愛知県連婦人部協議会の加藤三重子会長(県連副会長)も「飲食店はずっと振り回され、精神的にも追い詰められている。県としても存続へ励ましを」と、窮状と支援を訴えました。これに対し、県側は「自営業者の厳しい実情は承知している。支援策を協議しているところ」と応じていました。
 翌日、応援金拡充の報道に接した服部会長は「県の中小企業基本条例が制定されて以降、円卓での懇談などを重ねてきたこともあり、地域経済を支える中小業者への理解が進んできた成果だと思う。活用を広げていきたい」と喜びます。

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