コロナ禍で、解雇や雇い止め、自殺増加など、とりわけ女性が深刻な状況に置かれている現状を、このままにしておくわけにはいきません。
デンマーク、フィンランド、ドイツ、ニュージーランドなど女性の政治リーダーの国が、コロナ対応で「迅速、有効で公衆衛生に関する情報を国民に寄り添った形で発信」し、感染対策と危機からの回復の政策と取り組みが高く評価されています。
日本では、指導的地位に占める女性の割合が低く、国際比較で取り組みの遅れが目立っています。にもかかわらず、昨年12月に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画」では女性リーダー層を30%に引き上げる目標を最長10年先送りしています。
基本計画は男女共同参画基本法に基づき「社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていく」ため、2000年に最初の計画が定められ、その後5年ごとに見直されてきました。
第5次計画の小規模事業者に関わる分野では「女性が家族従業者として果たしている役割に鑑み」と、業者婦人の役割を認めざるを得なくなっている一方で、「事業所得等の適切な申告に向けた取り組みを進めながら、税制等の各種制度の在り方を検討する」となっています。
税制としては、家族従業者の労働を正当に評価しない所得税法第56条が、家族従業者の人権を侵害し、経済的自立を妨げ、後継者不足に拍車をかけていることに問題があります。「事業所得等の適切な申告」という一文が新たに入ったことは、白色申告者にも記帳が義務化されているにもかかわらず、申告方法の選択で納税者を差別するもので、許されません。家族の働き分を認め、「人権を守る」という視点を、世論と運動で広げていくことが大事です。
菅政権は第5次計画から選択的夫婦別姓の言葉をなくし、自民党の時代錯誤の姿があらわになりました。女性蔑視発言をした森喜朗氏は、「沈黙しない」世論の高まりで五輪組織委員会の会長辞任に追い込まれました。
ジェンダー平等を求める世論に逆らう政治を転換させましょう。