「事業者を救いたいとの思いは同じ」―。全国商工団体連合会(全商連)は4日、国会内で文化庁と日本音楽著作権協会(ジャスラック)に対し、新型コロナ禍が続く中で著作権使用料の取り扱いを懇談し、昨年から実施されている減免措置の現状を確認しました。ジャスラックの奥西望・演奏部長は「政府の緊急事態宣言や自治体の時短・自粛要請が発出されている地域では、引き続き特例措置を行っている」と回答しました。
懇談は、ジャスラックが昨年9月25日付で、ホームページ上で新型コロナの特例減免措置の終了を告知したことを受けてのもの。全商連の中山眞常任理事は「昨年来の減免措置は大変喜ばれている。新型コロナ禍が収束しない中で、中小業者の厳しい状況は続いている」と指摘し、措置の継続を求めました。
奥西部長は「全国一律の制度はいったん終了したものの1月の緊急事態宣言の再発令や、自治体独自の時短・自粛要請が出されている所では制度を継続している」とし、「事業者の経営状況が厳しいことは承知している。事業継続を支えるという思いは全商連と共通している」と答えました。また、時短・自粛要請が出ていない地域については「従来の契約上の減免手続きをお願いしている」としました。
同席した日本共産党の畑野君枝衆院議員は文化庁に対し「文化を守り抜くためにも、事業者への支援は大事」と支援拡充を求め、「引き続き国会でも質問したい」と話しました。
ジャスラックの特例措置
1、減免・解約の届出方法の簡略化
契約上「あらかじめ」届け出るとしている減免・解約について、新型コロナが原因の場合、休業・解約の事後の届け出を認め、証憑書類を不要とする。
2、使用料減免条件の緩和
通常「1カ月超」を条件としていたが、1カ月未満であっても営業期間に応じて減額する。