確定申告の提出書類について、近年の変更点を整理します。まず、添付資料については表の通り、添付書類が大幅に削減されました。添付または提示となっているものは、後日必要となる書類は提示し、返却を求めてください。
提出が省略された金融機関(保険会社を含む)に係る取引については、課税庁が情報として保有していると思ってください。申告が簡単になったということではなく、金融機関を通じて、納税者の情報がすでに吸い上げられているということです。
次に表にある「医療費のお知らせ」の説明です。2019年10月から20年9月までの金額が記載されていますが、あくまで20年中に支払った医療費しか対象になりません。9月までしか記載されていなければ、10月から12月分までは領収書を集計し、医療費控除の明細書に記載しなければなりません。確定申告の際には、記載した「医療費控除の明細書」と、送られてきている「医療費のお知らせ」の両方を提出しなければなりません。なお、「医療費のお知らせ」が届かないなどの場合は、領収書をまとめて「医療費控除の明細書」に全て記載すれば、「医療費のお知らせ」は必要ありません。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大の抑止に資するために、確定申告の申告期限や書類の提出期限には特例が設けられています。まず19年分は、本来ならば20年3月15日が申告期限でしたが、確定申告の申告期限の特例で20年分の申告期限まで延長されました。20年分の申告書提出日後は期限後申告となりますので、注意が必要です。
今年の確定申告の申告期限は、4月15日まで延期となりました。政府の「後手後手で小出し」のコロナ対策等により感染拡大に歯止めがかかっていないためですが、申告期限延期は小出しにするのではなく、少なくとも昨年の確定申告と同様に取り扱うべきです。
また、昨年中が申請期限であった青色申告の承認申請や、消費税の課税事業者選択不適用届出などについてもコロナウイルスの影響があった場合は提出期限が延長されていますので、間に合わないと諦めずに、届け出を見直してみてください。