コロナ対策として菅義偉政権が提出した2020年度第3次補正予算案が1月28日、無修正で成立が強行されました。同予算案は、政府が緊急事態宣言は必要ないと明言していたときに編成した予算案で、「Go To」事業をはじめ不要不急の経費が多額に上ります。立憲民主党や日本共産党は共同で医療、暮らし、持続化給付金制度の再開など営業への支援を拡充する組み替え動議を提出しましたが、政府・与党は、感染抑止に逆行するため中止せざるを得なくなった「Go To」事業費1・1兆円の撤回にも応じませんでした。
3次補正19・2兆円のうち「ポストコロナに向けた経済構造の転換」と「国土強靱化」が合わせて14・8兆円です。
経済対策には、雇用調整助成金の特例延長や中小業者への資金繰り支援が含まれるものの、マイナンバーカード普及や5G(次世代通信規格)の研究開発支援など、コロナで苦しむ事業者支援と無関係なものばかりです。持続化給付金、家賃支援給付金は打ち切られます。
緊急事態宣言が発令されている11都府県の飲食店には営業時間短縮に応じた協力金が支払われますが、全国的に自粛ムードが広がり経済は収縮しているにもかかわらず、その他地域の飲食店への支援はありません。また、11都府県の飲食店の取引先等には「一時金」の支給が表明されていますが、わずか「40万円(法人)、20万円(個人)」にすぎず到底、損失を補填するものではありません。
1月26日の衆院予算委員会で日本共産党の笠井亮議員は、コロナ禍で苦しむ事業者の実態を突き付け、自粛と一体の十分な補償、持続化給付金の再支給を提起しました。笠井氏は、協力金について「とても足りない」との事業者の声を紹介しながら事業規模や実態に応じた支援を求めました。
また、取引先への最大40万円の一時金についても、全国のコメや野菜、果物、肉なども需要が激減し、魚介類も出荷できず半値以下といった実態を示し「コロナ感染拡大の影響はあらゆる業種に及ぶ。飲食店を起点にした取引先に線引きなどできない。売り上げ減の全ての業種への十分な補償こそ必要だ」と強調。
休廃業・解散件数の増加(図)、29万余の事業者に持続化給付金が届かない問題を指摘し、「機械的・画一的な審査を改めなければ給付金は届きようがない。給付金を打ち切りながら、特措法改定で罰則を科し、『つぶれるか罰則か』の二者択一を迫る血も涙もないことは断じて許されない」と改善を求めました。