全商連は1月7日、会長声明を発表しました。
菅義偉内閣は本日、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を対象に、2月7日を期限とする緊急事態宣言を発出した。
これまで政府は、新型コロナ感染拡大を食い止めるために必要なPCR検査をはじめ、感染者の保護・追跡を怠ってきた。人命より経済を優先し、「収束後」に実施するはずの「GoTo」事業を見切り発車させるなど、感染拡大を招いた責任は重大である。2回目の宣言を出さざるを得ないこと自体、菅政権の失政に他ならない。
営業や生活の危機に直面する国民や減収に苦しむ医療機関、介護事業所への補償も「遅く、少なく、届かない」など、多くの欠陥には手を付けず、「自己責任」を押し付ける冷酷な菅政権に強く抗議する。
いま、多くの中小業者が廃業・倒産・休業に追い込まれている。緊急事態を宣言し、営業の自粛や時短営業を要請するのであれば、憲法29条に基づいて事業者が被る損失への十分な補償が行われるべきである。要請には国民が進んで協力できるようにすべきであり、罰則を持って従わせる強権発動に断固反対する。
緊急事態宣言の影響が及ぶ範囲は対象地域に限らない。いま行うべきは、持続化給付金や家賃支援給付金の欠陥を解消し、全ての事業者を対象に、減収に見合う補償、実態に基づく審査、事業者の選択による申請方法とするなど、新しい仕組みによって事業の継続と再開を支援する制度を国の責任で創設することである。これまでの例にならい、緊急事態宣言の対象自治体が行う「協力金」等との併給も可能とすべきである。
雇用調整助成金の特例措置を3月以降も継続するとともに、緊急事態宣言の対象地域では、雇用保険に加入していない従業者に対する補償制度を構築し、いったん休業しても事業再開への希望が持てるようにするべきである。
すでに実行された給付金を非課税とし、消費税率を引き下げ、社会保険料や国保料・税など国や地方自治体から負担を求められる公租公課の徴収を停止し、事業実態に即して免除する仕組みも求められている。
新型コロナ危機打開・経済再建への道を開くためには、事業所の9割を占め、約7割の雇用を維持する中小業者が廃業を選択するのではなく、事業の継続・再開に踏み出すことが欠かせない。
一刻も早いコロナ禍の収束を願いながら、必死で耐えているすべての中小業者に行き届く支援制度の抜本的強化を要求する。