広島県連共済会は11月25日、オンラインでアスベスト学習会を開催し、県内10民主商工会(民商)の77人が参加しました。
県連共済会の平野和弘理事長があいさつ。「今後、アスベスト建物の解体作業はピークを迎える。学習してしっかり対策を」と呼び掛けました。
講師を務めた大商連共済会の田中宏会長は、かつて“石綿村”と呼ばれた泉南地域を抱える民商のたたかいを紹介。救済の決め手となる「アスベスト暴露」を証明する専門医が少ない中で、専門医・弁護士団体との強固な協力体制を作り、救済へ取り組んできたことを報告しました。
続いて、大阪アスベスト弁護団・建設訴訟主任弁護士の小林邦子弁護士が「アスベストは天災ではなく人災」として、勝ち取ってきた救済制度の現状を報告。「中皮腫や肺がんなどを引き起こし、人体に被害があることを知りながら、長年放置してきた国、企業に責任がある。労災補償のない一人親方も国家賠償請求を勝ち取っており、救済の道ができつつある」と力説。まずは医療費が無料になる行政認定を受けることの重要性を指摘しました。
また、同弁護団の村松昭夫弁護士は「国の責任認定は高裁で14連勝しており、1975年以降の建設現場は賠償が認められる方向。来年春以降に判決が出される最高裁の六つの裁判に勝利を」と呼び掛けました。
参加者から「診断を受けられる病院は?」「若い頃に勤めていた会社が存在しない場合はどうなる?」などの質問が出され、弁護士が丁寧に回答しました。