全国商工団体連合会(全商連)第54回総会では、商工新聞読者や会員など仲間増やしで奮闘した民主商工会(民商)、県商工団体連合会(県連)が表彰されました。活動の一部を紹介します。
兵庫県連 業者比60%を超す 兵庫民商
総会当日も拡大へ 尼崎民商
70周年に最高現勢を
兵庫県連は会員現勢が1万5千人を超え、前総会時現勢を突破しました。兵庫民商は業者の要求実現に尽力し、会員で2000年の最高現勢2437人を大きく上回る2590人を達成。2016年経済センサスの対象業者比率も60%を超えました。今年70周年を迎えた兵庫民商は、“2020チャレンジキャンペーン”と銘打ち「70周年を最高の峰で迎えよう」と3月末まで懸賞を付けた会員拡大に取り組み、10年連続の年間増勢を達成しました。
新型コロナ感染拡大では、飲食業者を中心に持続化給付金の相談が相次ぎました。会員訪問時に「困ったら民商へ」と呼び掛けていたことが功を奏し、会員からの紹介が相次ぎ、最高現勢突破につながりました。
支部ごとに拡大行動
「民商に相談して助かった」など、コロナ禍の相談活動で新会員からの紹介が入会者の8割を超え、5部門で表彰基準を達成した尼崎民商。「持続化給付金はネット申請しかなく困っていた」と給付が実現し、喜ぶ新会員からの紹介が相次ぎました。民商では毎月、拡大推進委員会を開き、支部ごとの拡大行動に取り組んできました。「会員からの紹介を広げよう」と10月から拡大統一行動を実施。4回目の行動では、ビラ配布や会員訪問、電話かけを行い、読者10人を増やし、全商連総会当日も9人が拡大統一行動に参加しました。
両民商は今年、会長、事務局長が交代し、新しい体制がスタートしました。
兵庫民商の片山正久会長=家電販売=は「一人一人が民商会員だという自覚を持ってもらうために、小さいことでも担ってもらう“一人一役”を呼び掛けました。民商運動に参加してもらい、そこから新しい役員が生まれれば」と会員全体での民商運動を展望。平松大佳事務局長は「現勢を減らさず、要求実現のために最後まで諦めない運動をしていく」と話します。
尼崎民商の宮下昭男会長=電気工事=は「若い人を育てて、これからの民商を担える役員をつくりたい」と若手役員の育成に意欲を見せます。湯浦芳則事務局長は、新体制になった後の役員会で「これまでの活動で引き継ぐべきところ、情勢に合わせて変えるところがある。皆さんにも協力してほしい」と役員とともに、民商を発展させる思いを語りました。
「街を守るのが民商」 長崎・東彼民商 コロナ禍で最高現勢
長崎・東彼民商は、地域の全業者を視野に入れた相談活動を積極的に進め、4月から全商連総会までの間に、読者59人、会員25人を拡大。読者・会員とも14年ぶりに最高現勢を突破することができました。
コロナ禍の下、借り入れや持続化給付金などの申請を会内で素早く対応したことで、会外業者への紹介の裾野が広がりました。相談を通じて入会した陶器関係の新会員が語ります。
「私たち夫婦だけでは申請や借り入れは無理でした。民商のおかげ。商売を続ける希望を感じています」
飲食店経営の新会員からは、「民商に出会えて良かった。街の明かりをギリギリで守っているのが民商と言ってもいい」と喜びの声が上がっています。
宣伝も重視してきました。立て看板の設置や定期的な宣伝カー運行、地域で発行されている電話帳・JR時刻表の広告の他、ダイレクトメール(DM)1200通、チラシ2千枚を活用。宣伝を通じて入会した人は7人になりました。
持続化給付金など各種給付金は288人(会外を含めると300人以上)が申請しました。日本政策金融公庫などの借り入れは、会員比で2割が利用。県の補助金、納税(換価)の猶予申請、国保減免申請などを含めると、会員1人当たり平均2件の支援制度を活用した計算になります。
役員が相談に乗り 京都・やましろ民商 会員、読者で目標達成
京都・やましろ民商は、全商連第54回総会に向けた拡大運動で、目標としていた会員100人と商工新聞読者150人を達成。京商連全体を励ます奮闘で活動をリードし、会員で全国牽引表彰を受けました。
同民商はこの間、創立以来やったことがない全業者との対話・声掛けをめざし、4万5千枚の両面カラービラを独自で作成。担当する京田辺市から南山城村までの8自治体で、京都新聞など一般紙全部に折り込んできました。
「なんでも相談会」を11月6、7の両日、木津川市、精華町、京田辺市の3カ所で開催。どの会場にも役員が相談員として参加し、持続化給付金などの相談に乗ってきました。
木下秀和会長=二輪・四輪販売=は「民商だからこそ給付も受けられる。アクションを起こさないと何も生まれない。まず動くこと」と、定石通りの活動を行えば、どの民商も前進できると確信を持って語ります。