国税庁はコロナ禍の中で、納税者の状況などを配慮しつつも効果的・効率的な税務調査の実施を指示しています(全管特別及び個人課税部門統括国税調査官等会議8月3日)。税務調査が各地で再開され、長崎・大村民主商工会(民商)では学習会で納税者の権利などを学び、対策を話し合っています。
竹松支部のリサイクル業の会員に税務調査の連絡が入ったのは10月14日。17日の夜に班・支部の仲間らが駆け付け、10人の参加で対策学習会を行いました。全国商工団体連合会(全商連)発行の「納税者の権利」を読み合わせ、「私たち中小業者が一般的に対象となる任意の税務調査は『犯罪調査ではない』ので、過度に緊張しなくていいですよ」とアドバイス。また、税務調査経験者のMさん=とび土工=からも「昨年初めて調査を受けたとき、自分も最初は本当に緊張したが、何度も署員と対面で話し合い、言いたいことは主張した。署員の言う通りに従わないといけないということはありません」とアドバイスしました。
学習会前は、緊張でガチガチだった会員は「民商に入っていて良かった。今日は、税務調査の経験など、いろんな話が聞けて良かった。民商は心強いですね」と緊張がほぐれた様子。1回目の調査(11月5日)では、調査理由の説明を求めるなど、自分の主張を話していました。
10月22日には、大村支部のHさん=基礎工事=から「知り合いの業者のところに税務調査の連絡が。本人を連れてくるので、一緒に相談に乗ってほしい」と連絡を受け、翌23日に早速対応。相談に訪れた設備工事業者は「誰にも相談できず、家族にも心配をかけていた。不安な気持ちを理解してくれて、うれしかった」と話し、今後、学習と対策をしながら税務調査に臨むことを決意して入会しました。
27日の対策学習会では、納税者の権利を読み合わせ、税務調査の経験者でもある林支部長や、集まった役員がアドバイス。「電話での連絡を受けた際、署員は調査理由を言ってなかった。どうして自分が税務調査の対象なのか、1回目の調査時には理由を堂々と聞きたいと思う」と語りました。