ペットショップやブリーダーなどが飼養できる犬猫の頭数や繁殖年齢などを制限する動物愛護管理法省令改正案(「飼養管理基準」案)に対して、一般社団法人ペットパーク流通協会は10月29日、中小・小規模の事業者の経営継続を求めて環境省に要請。全国商工団体連合会(全商連)が支援しました。
同協会の大友宣明事務局長らは、①数値基準と称して中小・小規模なブリーダーやペットショップの経営を圧迫することや廃業へ追い込むことがないように十分に配慮すること②業界団体が十分に理解をして、順守できる準備期間を設けること③繁殖年齢を定めることで譲渡先を必要とする犬や猫の増加が想定される。混乱を避ける万全の対策を講ずること―など5項目の要請書を提出しました。
環境省は「生業から退場者を出すという強権的な考え方は持っていない」「ケージの買い替えや従業員の数など、法令を順守する業者をないがしろにしないような現実的な準備期間を検討している」「譲渡システムは検討を進めている」などと回答しました。
大友事務局長らが「(改正案の基準の)数値があやふや。来年6月からスタートするというが、激変緩和措置について、ある程度の内容を示すべきだ」と求めると、省側は「具体的に必要な期間を教えていただけると経過措置の検討材料になる」との認識を示しました。
国会議員要請も
要請後、「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」に所属する衆参国会議員14人に要請を行いました。参加した東大阪東部民主商工会(民商)会員の辻澤久美子さん=ペットショップ=は「全商連の支援で環境省への直接要請が実現し、議員要請では応対した秘書に私たちの思いを伝えることができた。ペットのことを一番に考える事業者の経営が守られるよう引き続き声を上げていきたい」と話していました。