コロナ禍で売上・利益急落 第2、第3の「給付金」を 全商連・中小商工業研究所20年度下期営業動向調査|全国商工新聞

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 「新型コロナ禍の経営危機 売上・利益 両DI値が急落」―。全商連付属・中小商工業研究所はこのほど、2020年下期(9月)営業動向調査の結果を公表しました。

倒産・廃業を防げ

 緊急事態宣言解除(5月25日)から3カ月が経過してもなお、消費は回復せず、売り上げ・利益の両DI値は▲68.5、▲70.6に急落。両DI値の推移を示した折れ線グラフは崖から落ちるような落ち込みです。
 これまで上昇基調にあった単価・マージンDI値と原材料・商品の仕入値DI値も下降し、経済活動の縮小を示しています。
 新型コロナパンデミックと政府の緊急事態措置により、国内消費は「消失」し回復の兆しは見られません。
 モニターから寄せられた「ひとこと欄」には、「持続化給付金は、売り上げの3割減や4割減も対象にしてもらいたい」「持続化給付金で一時的にしのいでいる。この状況が長引けば経営継続が難しい。第2、第3の給付金が必要だ」など、持続化給付金の対象拡充や給付の継続を求める記述が目立ちます。
 コロナ禍が収束しないまま、有効な対策が取られなければ、年末にかけての倒産・廃業の急増が危惧される事態です。
 消費が極端に減少している経済危機時の最も効果的な支援策は、減収を補填する直接支援と事業継続を支える固定費補助です。
 政府は新型コロナウイルス感染症の追加経済対策として、第3次補正予算案をとりまとめていると伝えられています。政府に求められているのは、格差を広げる、「Go To トラベル」延長などではなく、持続化給付金と家賃支援給付金を支援が必要な業者に直ちに届けること、さらに雇用調整助成金特例を含む支援の継続です。
 加えて、消費税減税による景気回復に向けた経済対策を講じるべきです。

〈調査期間〉2020年8月20日~9月19日
〈有効回答〉750人(調査対象モニター人数:47都道府県1223人、有効回答率61.3%)
〈回収方法〉郵送記入
 *DI値とは、企業の景況観などを「良い」「悪い」といった定性的な指標で数値化したもので、「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を差し引き、プラスなら改善、マイナスなら悪化などと判断する。

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