公正取引委員会(公取委)のコンビニ各社に対する運営改善の要請を踏まえ、コンビニチェーンのミニストップは、2021年9月から利益を分け合う仕組みに改める新たな契約方式を導入する方針を固め、加盟店に通知したと報じられています。
コンビニ各社は、フランチャイズ契約を結ぶ店のオーナーが本部に対して、売り上げから商品の原価を引いた「粗利」からロイヤルティーを支払う「コンビニ会計」を採用しています。ロイヤルティーは店が赤字でも支払わなければならず、大きな負担となっています。
ミニストップは、オーナーとの間で新たな契約方式を導入する方針を固め、9月24日、ネット配信を通じてオーナー側に説明しました。
それによると、商品の原価に加えて、現在はオーナーが負担している人件費や商品廃棄の費用などを売り上げから差し引いた分を「事業利益」として算出し、この利益を加盟店と本部で分け合う仕組みに改めるとしています(図)。
公取委が行った調査では1店舗当たりの収入が5年前より年間で190万円余り減るなど、人件費の高騰などでオーナーの負担が過大になっていることが明らかになっています。
公取委の要請を受け、コンビニ各社の対応が注目されますが、ミニストップがロイヤルティーを含め契約の方式まで見直すことが現実になれば画期的なことと言えます。各本部の対応にも影響を与えることは必至です。
加盟店との紛争絶えず
ミニストップは、イオングループのコンビニエンスストアで2019年2月現在、国内外に5450店舗を展開、業界4位です。他のコンビニ本部同様にFC契約において加盟店に対する「優越的地位の濫用」が問題になっており、各地で紛争が起きています。
2019年11月には、14年半営業を続けていた徳島県の北島江尻店が同業他社の出店で資金繰りが悪化、99万円を送金できなかったため「即時契約解除・閉店」を強要され、全国FC加盟店協会の徳島支部の結成に至っています。また、宮城県石巻市にあるミニストップ石巻渡波店のオーナーも、強引に店をやめさせられたとして2019年、本部を相手に慰謝料などを求める裁判を起こしています。
本部の改善策 見せかけでは 四国のオーナー
私のところには本部から連絡は来ていない。ミニストップの契約期間は7年で、2年前の契約なので更新は5年後。すぐに変わるわけではない。もともと本部はオーナーの生活など考えていない。言うこととやることが違う。改善されたように見せかけて店を増やしたいのだろう。報道の通りだとすると、利益を確保するためにオーナーの経営にますます口を挟んでくるのではないか。24時間営業もやめたいが、チャージが5%上がるのでやりたくてもできない。本当なら足元から正していくべきだ。