家賃支援給付金 業者の実態ふまえ運用の改善を|全国商工新聞

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 家賃支援給付金の給付数は約2万件(8月17日時点)で、申請数約29万件の1割程度と報じられています。著しく滞っている原因は大きく二つあります。

家賃支援給付金について全商連が参加した中小企業庁とのヒアリング(7月7日)

(1)申請時の添付書類の多さと煩雑さ

 これにより申請作業が遅滞。売り上げの証明書類に加え、家賃支払いの証明書類も準備しなければなりません。入力項目も多く数時間かかります。
 また、「賃貸借契約書」が手元にない場合もあり、代わりの「賃貸借契約書等証明書」に署名を求めても、家主や管理会社が応じない場合も。支払い実績や賃貸物件の確認など客観的証拠に基づいて審査するべきです。

(2)中小業者の実態に合わず対象を狭めている

 例えば、親族間取引や同族会社との取引を給付対象外としている問題です。生計を一にしていて、取引実態がないことを理由にしています。
 中企庁は「家賃を支払わないと追い出されてしまう場合が対象で、家庭内のやり取りは対象外」と切り捨ての構え。そもそも家賃支援給付金はコロナ禍で「立ち退き」の有無は要件でなく、「売り上げ減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、賃料負担を軽減する」ことにあったはずです。
 また、人格なき社団や個人で事業所得以外で申告をしている事業者も対象外。雑所得・給与所得で確定申告したフリーランスについては、「対象にする方向で検討」されていますが、いまだに申請要領が公表されていません。
 実態や問題点を国会議員、とりわけ与党議員に届け、審査と運用の改善を求めることが重要です。

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