日米安保発効60年 戦争ない世界めざす節目の年に|全国商工新聞

全国商工新聞

 6月23日は、1960年のこの日に現行の日米安全保障条約(安保条約)が発効して60年となります。
 最初の安保条約は51年9月8日、サンフランシスコ平和条約と同時に秘密裏に調印されました。60年当時、日米共同作戦条項を盛り込んだ改定内容が大問題となり、国会前は連日デモで埋め尽くされました。このたたかいは、歴史に残る全国的な運動に発展し、今も語り継がれています。
 安保条約は、そもそも日本の防衛を目的としていません。条約とともに結ばれた「密約」によって米軍は核兵器の持ち込みや、日本との協議なしに世界のどこへでも出撃できる体制をつくっています。条約第2条では日本の経済政策への介入を許す、世界に例のない経済的従属性も規定されています。
 安保条約第6条に基づく日米地位協定により、米軍機は日本の空を自由に飛び回ることができ、騒音被害や墜落事故、米兵による犯罪、基地外への環境汚染など、被害は深刻です。全国知事会が負担軽減を求め、同協定の抜本的な見直し提言を行うなど、国民の我慢は限界に達しています。
 「日米同盟」は、日本国憲法も安保条約も一字一句変えられていないにもかかわらず、自民党政治の下で大きく変容させられてきました。安倍政権は日米軍事協力の指針(新ガイドライン)を策定し、戦争法(安保法制)を強行成立させました。「専守防衛」は建前となり、集団的自衛権を行使し、米軍が世界で行う戦争に自衛隊が参加できるようになっています。
 民商・全商連は一貫して安保条約を廃棄し、真の平和条約を結ぶことを求めてきました。条約では、一方の国からの申し出で条約を解除できることが決められています。
 新型コロナウイルス感染症による影響が長引き、国民生活は大打撃を受けています。負担義務の無い米軍への「思いやり予算」や、F35ステルス戦闘機など米国兵器の爆買い、不要不急の沖縄・辺野古新基地建設は中止し、医療体制の充実などに予算を回すべきです。
 発効60年の節目に、「日米同盟」について考え、改めて戦争も軍事同盟もない世界をめざすことが求められています。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから