聞き取り判定、担保なしも可 厚労省
厚生労働省は3月12日、「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う厚生年金保険料の猶予に係る対応について」とする文書を日本年金機構宛てに発出しました。
新型コロナウイルス感染症の発症に伴って消毒作業を行ったため、備品や棚卸資産(例えば食材)を廃棄した、イベントの中止・延期、観光客の減少などによって売り上げが激減したなどの理由で、「社会保険料の納付が困難になった」と相談があった場合は「納付の猶予」や「換価の猶予」の適用を検討することを求めています。
財産の相当な損失(おおむね財産価額の2割)を受けたかどうかの調査は、帳簿等の提出が難しい場合は、聞き取りによって判定することができ、担保がなくても「適用して差しつかえない」としています。
「納付の猶予」の申請期限は、災害がやんだ日(災害が引き続き発生する恐れがなくなり、復旧に着手できる状態になった日)から2カ月以内。猶予期間は納期限から1年(最大2年)。猶予した場合、差し押さえられた財産は申請によって解除されます。
「換価の猶予」は、事業所から分納相談があった場合は、「納付について誠実な意思がある」と認められ、担保がなくても1年間、分納できます(最大2年)。財産を差し押さえられている事業所の事業継続が困難になる恐れがある場合は、差し押さえが解除されます。
猶予期間内に新たに滞納になった社会保険料についても猶予適用が検討されます。延滞金は免除されます。
地方税も猶予 総務省
地方税の納税が困難になった場合についても総務省は3月18日、都道府県知事宛てに同様の文書を発出しています。
また、同省は電気通信事業者や情報通信関連事業などICT関連企業が参加するテレコムサービス協会に、固定電話や携帯電話の利用者が新型コロナウイルス感染拡大の影響で期日までに支払いや更新ができない場合、不利益を被ることがないように要請しています。
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