善隣門に横断幕
「みんな ありがとう」「#がんばれ中華街」―。
横浜中華街発展会協同組合は3月20日、新型コロナウイルスの風評被害に対する多くの激励と来店に感謝し、横断幕を善隣門に掲げました。
善隣友好の象徴として立てられた門前では、横断幕にスマートフォンをかざしてシャッターを切るお客さんの姿が。卒業旅行で滋賀県甲賀市から来た女性の2人連れは「おいしい小龍包を食べに来た。コロナに負けずに頑張ってほしい」と笑顔。3年ぶりに来たと話す男性は「新型コロナは誰が悪いとかいう問題と違う」と語りました。
横断幕を掲げたことについて、商店街関係者は「中華街で初めての取り組み。心から感謝したい気持ちを、『みんな ありがとう』に込め、メールやツイッターで多くリツイートされた『がんばれ中華街』を掲載した。働く人たちの勇気になれば」と説明しました。
中国・武漢で新型コロナウイルス感染報道がされて以降、売り上げが対前年度比で7割に。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の来港で3分の1に落ち込み、政府の自粛要請でピーク時の10分の1に激減したといいます。根拠のない風評被害が出る中で、中華街のいくつかの店舗に誹謗・中傷するヘイト封書が届きました。そうした状況を店主がツイッターにアップすると「頑張れ経営者」「頑張れ中華街」「おいしいもの食べにいくよ」との声が拡散して広がりました。
横浜南部民主商工会(民商)会員で、中華街で飲食店を営む男性は「封書の一報を聞いて悲しみしかない。風評被害に対しては、すぐに行動することが必要。小池都知事が出した自粛要請以降、客足がパタリと止まり大変。支援規模とスピードを上げないとつぶれる所が続出する。自粛要請だけではなく、営業補償と一体にすべきだ」と語気を強めます。